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PER16倍なら株価2万3300円も? 日本株なお割安感

7/2(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 株式相場が底堅い。世界的に好調な景気、改善する企業業績が支えとなっている。日経平均株価が2万円を回復し、中期的に上昇期待がある中で気になるのが個人投資家の動向だ。足元では株買いの動きも見られるものの、これまで主に売り手に回ってきた。今後、個人投資家が本格的に買いに動くのかが注目されている。
 これまで買いが目立ってきたのが海外投資家だ。4~5月に合計で約2兆円買い越した(図A)。背景にあるのが世界的な景気拡大。国際通貨基金(IMF)の4月時点の見通しによると、2017年の世界経済成長率は3.5%と前年から0.4ポイント伸びる。
 日本や欧州などで成長率見通しは上方修正され、欧米の主要株価指数は軒並み過去最高値を更新している。保有資産が値上がりし、投資余力が増えた欧米の機関投資家は、日本株買いを拡大した。

■企業業績は好調

 一方で日本の個人投資家は4~5月に約1兆7000億円売り越した。トランプ相場で株価が持ち直した昨年11~12月にも約2兆7000億円売り越している。15年夏に日経平均が2万946円まで上昇する過程で遅れて買いに動き、その後の下落で含み損を抱えた個人から「やれやれ売り」が出た可能性がある。
 週間ベースで見ると、個人投資家は6月第2週(12~16日)に4週ぶりに買い越したものの、小幅にとどまる。コモンズ投信の伊井哲朗社長は「個人投資家はもっと強気になっていい」と指摘する。

 主要企業のうち17年に入って上場来高値を更新した企業は58社。信越化学工業や資生堂、花王、大和ハウス工業、島津製作所、スズキ、ダイキン工業など有力企業も多い。伊井氏は「減収でも最高益を上げる企業が増えており、事業環境の変化に対応できる耐性が強まっている」と話す。

 実際、企業業績は好調だ。日本経済新聞の集計では、18年3月期に全体の売上高は約4.1%増、純利益は9.2%増となり、前期に続き過去最高益となる見通しだ。多くの企業は想定為替レートを1ドル=105円か110円に設定する。足元の円相場は110円前後。今後の円相場次第では2期連続の2桁増益となる可能性もある。
 野村証券金融経済研究所シニア・リサーチ・フェローの海津政信氏は、光ファイバーの需要拡大で恩恵を受ける電線、非資源分野を強化する商社などに注目する。内需型の業態で海外でも稼げる体制を整えようとする企業にも関心を持つ。ソフトバンクは米国で買収したスプリントの業績改善が期待できるという。
 三菱UFJフィナンシャル・グループは収益の半分以上を海外や証券部門で稼ぐ。米国の利上げの影響でユニオン・バンクの収益拡大が好材料になる。自動車関連銘柄についても海津氏は「メキシコ工場から米国への輸出が減るリスクを投資家は警戒し過ぎ。世界景気の拡大で業績はさほど悪くないのでは」とみる。
 仮に円安が進めば、企業業績は一段と拡大するとの期待が高まる。ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは「米連邦準備理事会(FRB)は6月に利上げしたのに続き、9月に保有資産の圧縮、12月に次の利上げに動く。円は年末に118円あたりまで下がる可能性がある」とみる。

 円相場の前提を足元の水準より円安方向の115円とすると、企業全体の今期増益率は約17%に高まるという試算もある。利益の何倍まで株が買われるかを示すPER(株価収益率)の水準を15倍と考えれば、日経平均は計算上2万1800円になる(図B)。現在の2万円前後の株価には割安感があることになる。
 PERは一般に14~16倍前後が適正水準とされる。16倍まで買われると考えると日経平均は2万3300円。1996年6月に付けたバブル崩壊後の戻り高値2万2666円を超える。円相場の前提を足元の水準並みの110円とすると、PER15倍で日経平均は2万1300円になる。
 これまで売りに偏ってきた個人投資家はいつごろ買いに動くのだろうか。大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは「今月末の配当支払いがきっかけになるかもしれない」と語る。
 企業の配当支払額は5年連続で過去最高を記録。6月には3兆5000億円程度の所得が企業から投資家に移転する。個人投資家が受け取る配当金も1兆2000億円程度とみられ、これを元手に買いに戻るとみる市場参加者もいる。

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最終更新:7/2(日) 7:47
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