ここから本文です

最高の素材と才能の結集だ──ベルルッティ 2018年春夏コレクション

7/2(日) 15:41配信

GQ JAPAN

考えうる限りの極上のもの。ベルルッティを一言で表わすと、それになる。最高の素材を、最高の才能が扱う、するとこういう服が出来上がる。

一番手のモデルはタンクトップを着ていた。淡い、カプチーノを思わせるベージュ色。肩には同じ素材のカーディガンを巻いている。そのシルクの光沢にもうっとりするのだが、タンクトップの襟ぐりや袖まわりの始末の非の打ちどころのなさに、体が震える。「こうなっていてほしい」という状態になっている、というのは、まことに稀有なことなのだ。

そしてパンツ、理想の素材だ! あたかもシルクタフタのような光沢と、張りのある風合い。スリムさ加減、やや浅い股上と短めの丈、広すぎず狭すぎないウエストベルトの幅。いずれも文句のつけようが、ない。これを履いて、格好が悪く見える男性が、この世に存在するだろうか?

さらに、もっとすごいのがバッグにさりげなく掛けているジャケットの裏である。ベージュのジャケットのすべての縫い代が、ちょうどいい塩梅(あんばい)の幅に計算された、黒いテープに覆われている。そのテーピングの美しいこと!

しかも、裏ポケットはなんともいいブラウン色の、プレシャスレザー(爬虫類系)である!それが、過剰な装飾ではなく、しかるべきものがそこにいる、という、自然さで備わっている。これ以上、なにを望もうか!?

この世には、クルマや時計のオタクがいるが、服のオタクも確実に存在し、その代表格がハイダー・アッカーマン。彼は本当に「服が好き」。

しかし、その気持ちを抑えながら、ベルルッティに臨でいるところが良いのだろう。本当はあれもやりたい、ここもこうしたい。けれど、それはベルルッティにふさわしくない。もっと凝りたいところを抑えに抑えて、それでも溢れてしまう何かが、品の良さや艶=セクシーさにつながる。

これは、「不器用ですから」と言って沈黙する、健さんの姿にもきっと重なる。健さんがべらべら喋っては台無しなのだ。

安心してほしい。パンツはストレートで、もっとノーマルな丈のものもたくさんある。押しつけのデザインではなく、「良いもの」を求める幅広い顧客に対応できるよう、細心の注意が払われている。ハイダー曰く「ここで僕がやっているのはデザインというよりも、サービス」。

光沢のあるパーカをインナーとして着る、淡いパステルカラーを使う、といったトレンドも入っていた。そして、シンプルなのに特別な黒のレースアップや、柔らかなトートバッグ、スリムなブーツなど、レザーウエアはむろん、他の追随を許さない。

Words: Chiyumi Hioki

最終更新:7/2(日) 15:41
GQ JAPAN

記事提供社からのご案内(外部サイト)

GQ JAPAN

コンデナスト・ジャパン

2017年9月号
2017年7月24日発売

600円(税込)

『ベイビー・ドライバー』主演、アンセル・エルゴート登場/クルマが恋人の若者たち/10トップワールドニュース/三越ワールドウオッチフェア“明日”のヴィンテージ時計