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東京パラ、そして別次元へ。パラサイクリングの藤田征樹が目指すもの

7/2(日) 8:01配信

webスポルティーバ

 6月、埼玉県の利根川上流域を会場とした「全日本学生選手権 第29回 全日本学生個人ロードタイムトライアル自転車競技大会」にひとりのパラリンピアンが参戦していた。

【写真】視覚障がいクラスはタンデム自転車

リオの銀メダルを前に、東京パラに向けて語ってくれた藤田征樹選手 藤田征樹(日立建機株式会社/チームチェブロ)だ。藤田は義足を活用した日本人として全競技を通じて初めてパラリンピックでメダルを獲得した選手である。北京、ロンドン、リオとパラリンピックの大舞台を経験し、3大会連続でメダルを勝ち取っている(北京/1000mタイムトライアル(TT)で銀メダル、3km個人追い抜きで銀、ロードTTで銅。ロンドン/ロードTTで銅、リオ/ロードTTで銀)。

 ただ、パラリンピックでは銀、銅と素晴らしい成績を上げているものの、金メダル獲得までには至っていない。以前、他のメディアに「勝ち(金メダル)以外は負け」と語った藤田は、自転車がチャンピオンスポーツであるがゆえ、2番手(銀)、3番手(銅)では負けになるのだとシビアな見解を話してくれた。

「勝つ」つもりで臨んだリオは、誇るべき結果ではあったものの2番手に終わった。その状況で、次の2020東京への挑戦はあるのか――。そして、まだ手にしていないメダル、“金“へのこだわりとは――。いま、最も気になることを藤田征樹に聞いた。

「2020(東京パラリンピック)に向けて、障がい者スポーツにたくさんの注目をいただいています。リオの結果についても評価していただき、2020を控える今、スポーツやパラリンピックのあり方が注目されつつあるなかで、私が引き受けさせていただいていることも増えています」

 藤田は日立建機に勤めながら、自転車選手としてトレーニング、レースに励んでいるが、リオ大会以降、講演活動や取材などの対応も増えたという。パラリンピックでの活躍があってこその忙しさだ。

 北京、ロンドンでメダルを獲得し、リオでも銀メダルを獲得したことで本人の意思とは関係なく、周囲は次のパラリンピックを期待してしまう。ましてや自国開催である。現時点での注目度から考えても、3年後の東京の盛り上がりを想像すると、彼にかかる期待の“重み“が違う。

「単純に目指す、目指さないで決められたらいいのでしょうけど、そうじゃない部分がある。目指すという意思についても単純ではないですよね」

 インタビュー中の重苦しい雰囲気は、藤田の並々ならぬ決意と、それに伴う責任の重さを物語っている。それでも藤田は、東京パラリンピックを目指す意志を語ってくれた。彼が言う「単純ではない部分」とは何か。

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