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男女が名前を入れ替えて1週間仕事をしてみた結果

7/2(日) 9:10配信

ライフハッカー[日本版]

Inc.:マーティン・シュナイダーさんとニコール・ピエリさんは、以前、履歴書編集サービスの会社で一緒に働いていたことがあり、職務の都合上から、メールの受信トレイを共有していたそうです。

【画像】男女が名前を入れ替えて1週間仕事をしてみた結果

ある日、マーティンさんは、女性として働くとはこういうことなんじゃないかと、突然目が覚めるように気づくことになります。彼はこの一件についてTwitterで次のように語っています。

ある日、私はとある男性クライアントの履歴書をめぐって、本人と何度もメールのやり取りをしていました。そのクライアントは正直言って、とても難儀な相手でした。横柄で侮蔑的な態度をとり、私の要求をことごとく無視していました。自分のやり方が業界の常識なのだと主張し(実際はそうではない)、私が専門用語を理解していないと文句を言いました(私はちゃんと理解していた)… とにかく、この男性とのやりとりにうんざりしきっていたとき、ふと、あることに気がつきました。受信トレイを共有していたせいで、このクライアントに送ったメールのすべてに、誤って「ニコル」と署名してしまっていたのです。

マーティンさんがこの間違いを訂正したとき、次のようなことが起きました。

私は彼にこう伝えました。『こんにちは、私はマーティンといいます。ニコルからこのプロジェクトを引き継いでいます』 すると、たちどころに事態が改善しました。受け答えは肯定的になり、私の提案に感謝の意を示し、すぐに返信をくれるようになりました。おまけに、『すばらしい質問ですね!』などと言ってくるのです。あっという間に、理想的な顧客になってしまいました。私が彼にしたアドバイスや指導方法は一切変わっていません。

科学的精神にのっとり、マーティンさんとニコルさんはある実験を行うことにします。2週間、名前を交換してみるのです。結果はどうなったでしょう? マーティンさんは自身の体験をひと言でこう要約しています。「クソみたいに最悪な体験だった」

彼は続けます。「地獄のような体験でした。私がするすべての質問、すべての提案にイチャモンがつけられるのです。寝ながらだって対応できるクライアントに、見下したような態度をとられます。独身かと聞いてくる人までいました」

一方、ニコルさんは、これまでのキャリアのなかで最も生産的な1週間を過ごしていました。そして、マーティンは、おそらく最も重要であろうことに気がつきます。

「私は彼女よりも仕事ができるわけではありませんでした。ただ、この目に見えないアドバンテージがあっただけだったのです。」

マーティンは正しい。 科学者はこの目に見えないアドバンテージを潜在的バイアスと呼んでいます。

仕事の上ではこのバイアスはどのように働くのでしょうか。男性は雇用される可能性が高く、昇進する可能性が高く、高い報酬を受け取る可能性が高く、上級管理職に就く可能性が高い。

これは、男性が女性より優れているからでも、賢いからでも、資質が高いからでもありません。ただ、潜在的バイアスのおかげなのです。

ニコルさんは、彼女自身の賢くて聡明なブログのなかで、「女性として働くこと」と題し、彼女がマーティンさんに彼自身の潜在的バイアスを気づかせたときのことを書いています。

ある日、私はマーティンに激しい口調で、あなたは私に不適切な話し方をしているし、私を無視していると訴えました。彼はとても信頼できる人で、また、友人でもあったので、丁寧に耳を傾けてくれました。そして、私の訴えを重く受け止めてくれたのです。彼は、会議中、意識的に私に注意を向けてくれるようになりました。また、ほかの女性に対しても同じことをしてくれました。私はとてもうれしい気持ちになりました。

人種差別、性差別、階級差別といった、あらゆる差別は、たいていの場合、見えにくい形で表現されます。そして、だんだんひどくなっていきます。もちろん、セクシャルハラスメントや、あからさまな人種差別など、目に見えやすい例外もあります。

そうした差別は、私たちが日常生活で行っている小さな選択のなかに表れてきます。特定の人びとや考え方を受け入れたり、排除したりするやり方の中に、あるいは、周囲の人を無意識のうちに扱うやり方の中に表れるのです。

この潜在的バイアスに対して、あなたができる行動がいくつかあります。

1. これが現実であることを理解する。特定の企業にだけある問題ではありません。これはいわば、私たちがその中を泳いでる水のようなものです。仕事の現場では、この潜在的バイアスのせいで、女性のほうがあらゆる面で大変な思いをしています。

2. 冷徹かつ徹底的に自己を認識する。あなたは、女性の同僚やマネージャ、スタッフに対して、挑戦的な態度をとったり、疑問を唱えたり、軽く扱ったりしていませんか? あなたは、自分の組織で、女性を雇ったり、昇進させたり、上級管理職に就かせるよう、意識的かつ継続的な努力をしていますか? よく自分に聞いてみてください。そして、ほかの人にも尋ねてください。また、性差別をするのは男性だけではないことにも注意が必要です。女性も女性を差別します。繰り返しますが、こうした差別はたいてい、無意識のうちに行われます。

3. あなたが男性なら、積極的に女性の味方になる。女性が話を遮られていたら、そのことを指摘し、彼女が主張をするためのスペースを作ってあげてください。誰かが女性のアイデアを盗もうとしていたら、彼女の側に立ってあげましょう。産休を取ったという理由で、女性が解雇されそうになっていたら、異議を申し立ててください。声を荒らげる必要はありませんが、明確でゆるぎない立場をとってください。女性の味方になってください。

こうした差別を打ち破るには、なによりもまず、私たちが自分のバイアスに気づくことが大切です。マーティンとニコルのように、個人の体験をシェアし続ける必要があります。そして、職場の内外で、お互いのために立ち上がり、声をあげなければなりません。

これは戦う価値のある戦いです。ともに戦いましょう。そうすれば、勝利を手にすることができるかもしれません。


A Man and Woman Switched Names at Work for a Week. Here's How Clients Treated Them Differently|Inc.

Melanie Curtin(訳:伊藤貴之)

Photo by Shutterstock

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