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AppleとGoogleの広告規制に震えるパブリッシャーの憂鬱

7/2(日) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

6月の前半は、プラットフォーム大手の力が誇示された時期だった。

まず、Googleの計画についてさらなるニュースが流れた。迷惑な広告を締め出し、サードパーティー製のアドブロッカーを使用する訪問者にパブリッシャーが料金を請求して、その収益をGoogleと共有させるツール「ファウンディングチョイス(Funding Choices)」を提供するという。続いてAppleが、「Safari」ブラウザをアップデートし、自動再生動画をブロックすると同時に、ユーザーのブラウジングの追跡にピリオドを打つと発表した。

こうした動きはもっぱら、「消費者の勝利」とされている。繰り返し表示される迷惑な広告とプライバシーへの懸念から、アドブロッカーをインストールする消費者が増えているからだ。だが、パブリッシャーは、テック大手2社が自分たちの市場シェアを守ろうとしているのだと見なしている。Appleは自社を顧客のプライバシーの守り手として位置付けることによって。そしてGoogleは、ライバルであるFacebookのデジタル広告シェアをできるだけ奪い取ろうとすることでだ。そのように、大手2社がしのぎを削るなかで、巻き添え被害に苦しむ恐れがあるのはパブリッシャーなのだ。

困窮するパブリッシャー

楽天的な見方をすれば、迷惑広告の規制は、アドブロックの増加に歯止めを掛け、最終的には、広告に依存するパブリッシャーの助けとなって、デジタル広告に対する広告主の信頼を取り戻してくれるかもしれない。デジタルメディアはしばしば、広告売上を増やそうと躍起になって、持続不可能な軍拡競争に苦しんでいるように見える。

また、動画ベンダーのブライトコーブ(BrightCove)で最高経営責任者(CEO)を務めるデビッド・メンデルス氏は、迷惑なのは広告主もわかっているので、自動再生動画広告は、どちらにしてもパブリッシャーにとって良い収入源ではない、と指摘する。一方、プレミアムパブリッシャーの業界団体デジタル・コンテント・ネクスト(Digital Content Next)のCEOであるジェイソン・キント氏によると、Appleが追求しようとしているリターゲティング広告は、パブリッシャーの売上高の3~4%を占めるにとどまっているという。

それに、現実を見据えよう。パブリッシャーは、自分の足を引っ張るような真似をしてきた。気分を害する広告をサイトに掲載し、最初にアドテク企業が訪問者のデータを収集できるようにして、プラットフォームが現在、介入して解決しようとしている問題の一因となってきたのだ。おそらく、大手テック企業がブロッカーをブラウザに組み込んで歯止めをかけていなければ、パブリッシャーはまだ、ポップアンダー広告やポップアップ広告でユーザーを徹底的に悩ませていただろう。

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