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元ヤン主将の涙が変えた! 茨城・総和工がチーム一丸で目指す甲子園

7/2(日) 8:30配信

webスポルティーバ

 3月の沖縄キャンプ。その3日目に“事件”は起きた。

「オメーらみたいな嘘つきは嫌いだ! 信用できねえ!」

■神奈川の夏を熱くする高3右腕がいた

 大竹凌大(おおたけ・りょうた)はそう言い放つと、目から涙を溢れさせた。練習後に行なわれた宿舎でのミーティング。陰では厳しい練習への不平不満を言うにもかかわらず、ミーティングでは誰も本音を言わないばかりか、きれいごとの建前を言う。そんな部員たちの姿に、主将の大竹は我慢がならなかった。

 181センチの大型左腕で、好調時には右打者がインコースのストレートにたじろぐほどの投球を見せる。そんなプロ球団スカウトも視察に訪れる投手だが、様々な葛藤を越えて夢舞台を目指している。

 茨城県西部の古河市にある県立総和工業高校。JR古河駅から約10キロの位置にあり、路線バスもほとんど通っておらず、地元のタクシー運転手は「この辺りは陸の孤島ですよ」と自虐的に笑った。

 十数年前に校内の雰囲気が荒れていたことはあるが、「現在は普通の学校です」と鈴木正良監督は言う。だが、勧誘のため近隣の中学に出向いた際には「すいません。この子は勉強ができるもので……」と冷たくあしらわれ、憤ったこともある。

 それでも、同期に高津臣吾らがいた名門・亜細亜大出身で、前任校でも小規模校の明野高を県16強に導いたこともある鈴木監督が就任して6年。「鈴木先生の指導を受けて、地元から甲子園に行きたい」と選手が集まってくるようになってきた。同じく名門・明治大出身の遠藤正憲コーチとともに、時に厳しく時に明るく、選手たちの手綱(たづな)をうまく操り強化してきた。

 そのひとつが春の沖縄キャンプだ。今年は10泊11日で行なった。旅費などの資金は、選手たちが11月下旬から約1カ月、郵便物の仕分けのアルバイトを早朝に行なって貯めたものだ。大人とともに仕事をするなかで社会性も向上する。沖縄合宿では選手たちの結束力強化や、自信が生まれづらい選手たちの意識向上が大きな狙いだ。

 その重要な時期の選手たちの態度に、大竹は我慢がならなかったのだ。

 今では「責任感が最も強い」と鈴木監督から主将を任されている大竹だが、中学時代には道を外しかけたことがあった。

 常総リトルシニアではエースになることはなく、夏に最後の公式戦が終わると、髪を金色に染め上げ、特攻服に身を包んだ。いわゆる“ヤンキー”の姿そのものになり「野球は好きでしたけど、高校に落ちたら野球を辞めてもいいやって思っていました」と、大竹は当時の心境を語る。

 そんなときに手を差し伸べたのが、常総リトルシニアの鈴木孝会長と、小学2年から大竹とともに野球をしてきた鈴木健修(すずき・けんしゅう)。それぞれ鈴木監督の弟と甥にあたる人物だ。

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