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首の皮一枚繋がったトランプ大統領 --- 渡瀬 裕哉

7/2(日) 16:25配信

アゴラ

トランプ大統領の首の皮一枚を繋げたジョージア州第6選挙区補欠選挙

2017年6月20日、トランプ大統領の命運を左右する選挙が行われました。その選挙はジョージア州下院第6選挙区で行われた補欠選挙です。同選挙区は共和党が約40年間議席を維持してきた選挙区であり、オバマケアの見直しを担当するトム・プライス厚生長官の地元であり、トランプ政権最大の支持者の一人であるニュート・ギングリッチ元下院議長の地盤でもあります。

ジョージア州第6選挙区の補欠選挙は、共和党のハンデル候補と民主党のオソフ候補の激しい闘争が行われてきており、世論調査では民主党のオソフ候補者が平均して優勢な数字を記録し続けていました。しかし、最終的には共和党陣営がナンシー・ペロシ民主党院内総務とオソフ候補者のイメージを重ねるキャンペーンを効果的に実施し、同選挙区の保守的な共和党員を動員することに成功したことで、共和党のハンデル候補が民主党のオソフ候補に僅差で勝利しました。

トランプ大統領にとっては共和党議員・共和党員からの信任を揺るがす可能性がある同選挙をクリアしたことで、自らの政権を首の皮一枚分延命させることができました。今後もユタ州などで補選が予定されているものの、同補欠選挙の勝利を通じて辛うじて共和党議員・共和党員からの信任を獲得したことで、同氏を巡る弾劾の議論は沈静化する方向で推移していくことが予想されます。

トランプ大統領を取り巻くロシアゲートの問題は、依然として明確な証拠が提示されている状況ではありません。ただし、同大統領の弾劾の可否を決定する連邦議員からの信任(特に共和党議員からの信任)が揺らいだ場合、トランプ大統領の一連の言動について連邦議員らが弾劾の可否も含めて問題視する可能性が存在しています。特に選挙に弱いと看做されてしまえば共和党内から暗黙的にトランプ交代の機運が高まっても不思議ではありません。

トランプ大統領を取り巻く状況は依然として厳しいものがあります。現状では来年に予定されている中間選挙の世論調査の数字は民主党が共和党に対して8%前後の優位を築いています。上記のジョージア州の補欠選挙以外にも、カンザス、モンタナ、サウスカロライナと共和・民主対決型の補欠選挙が行われましたが、いずれも2016年の議会選挙時よりも得票率の差が民主党に大幅に詰められている状態です。共和党議員らからはトランプ大統領で来年の中間選挙を戦えるかは依然として疑問符がつけられている状況と言えます。

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最終更新:7/2(日) 16:25
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