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『ハクソー・リッジ』を巡る、“マッド・マックス”と“アイアンマン”のちょっといい話。 [with]

7/2(日) 12:01配信

講談社 JOSEISHI.NET

今年のオスカーで2部門を獲得した『ハクソー・リッジ』は、実は太平洋戦争の沖縄戦での実話を描いたものです。言っちゃあ戦争ものですが、この映画がちょっと変わっているのは主人公ドスが衛生兵(つまり医療担当)で、入隊してからずーっと武器を持つことを拒否していること。

そのせいでマッチョな仲間からはめちゃくちゃイジメられるのですが、初めての戦闘で、撤退命令を無視して一人線上に残り、何十人もの負傷兵を救出しちゃうのです。それも、敵である日本兵も含めて。この人、ものすごーくガチなキリスト教徒だったんです。そしてこの映画を監督したのが、やっぱりガチガチのキリスト教徒であるメル・ギブソン。これ以上の適任者はいません。

メル・ギブソンは30代には少しなじみが薄いかもしれませんが、初代“マッド・マックス”と言えば「へー」と思う人もいますよね。昨年大ヒットした『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』はそもそもメルが主演した伝説のシリーズの最新作です。大スターとして80~90年代一世を風靡した彼は、自身が製作・監督・主演を務めた『ブレイブハート』でアカデミー監督賞も受賞している人。ところが、結婚・離婚をめぐるスキャンダルとその後の度重なる奇行が影響し、10年も干されていたのです。

そんな中、彼の復帰を熱心に周囲に働きかけ続けた人がいます。それが“アイアンマン”ことロバート・ダウニーJr.。ハリウッドNo.1の大スターの彼も、かつては薬物依存が理由で映画界を干されていました。そんな時に自身の監督作品に彼を起用したメル・ギブソンは、こう言ったそうです。「次の機会に、君が誰かを助けてくれればいい」。拝金主義とか女性差別とか問題はいろいろありますが、こういう話もあったりするから、ハリウッドって捨てたもんじゃないなーと思います。

『ハクソー・リッジ』絶賛公開中!

文/渥美志保