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【川崎】進化を続ける“新生フロンターレ”。完勝した神戸戦で示したさらなる可能性

7/2(日) 11:30配信

SOCCER DIGEST Web

今季最多の5ゴールで神戸を一蹴。

[J117節]川崎5-0神戸/7月1日/等々力
 
 川崎らしさを存分に示した勝利だった。
 
 17節、ホームに神戸を迎えた一戦では、序盤から自慢の攻撃力で相手を圧倒し、今季最多の5ゴールを奪って完勝した。
 
「面白いようにつなげられた。縦パスあり、斜めあり、いろんな手を使って攻められた。久々に気持ちよくやれた」
 
 中村憲剛の言葉からも、この日のチームがどれだけ上手く回ったかが読み取れる。
 
 特に先制点は川崎の真骨頂のような崩しだった。中盤で大島僚太からのパスを受けた中村はワンタッチで神戸最終ラインの裏に浮き球を通す。相手の背後を取った小林悠がこのパスに抜け出すと、ゴール前に走り込んだ阿部浩之へダイレクトでグラウンダーのクロスを供給。フリーの阿部がいとも簡単に押し込んだ。一瞬の光景に神戸の守備陣はただ呆然とするしかなかった。
 
 試合後には神戸のネルシーニョ監督も「技術で相手に上回られた」と完敗を認める。
 
 1トップの阿部、トップ下の中村、右サイドハーフの小林、左サイドハーフの登里享平は柔軟にポジションを変え、相手に的を絞らせない。左SBの車屋紳太郎、右SBのエウシーニョも果敢にオーバーラップを仕掛けて攻撃に厚みを持たせた。
 
 神戸は相手の特長を消すのが得意なチームだが、その守備網をズタズタに切り裂く破壊力がこの日の川崎にはあった。
 

【川崎 5-0 神戸 PHOTO】川崎のパスサッカーが炸裂。5得点を奪取して完勝!

さらに勢いを増しそうな予感が。

 さらに、神戸戦ではふたつの収穫も見られた。そのひとつが、左サイドハーフの登里と左SBの車屋のコンビネーションだ。本来左SBを主戦場とする登里は車屋が上がれば、最終ラインに下がり、車屋が帰陣すれば元の位置に戻る。ふたりのバランスは絶妙で、お互いに高い攻撃力を示しながら、守備でも穴らしい穴を作らなかった。
 
 また、チームとして特に後半にはポゼッションに固執しない効率的なカウンターも見せた。神戸が反撃を試みようと前に出てきた面もあるが、縦に速い攻撃でチャンスの山を築いたのだ。
 
 鬼木達監督の下、開幕から守備を強化してきた新チームは、徐々に攻撃の形づくりにも着手し、ポゼッションあり、カウンターあり、サイド攻撃ありと、バリエーションを増やして、状況に適した攻め方を選択できるようになってきた。神戸戦ではそれが上手く表われた。
 
 昨季は第1ステージ(17節)を11勝5分1敗/33得点・15失点のハイペースで突き進んだが、第2ステージにやや失速し、タイトルに手は届かなかった。しかし、今季はリーグ戦折り返しとなる17節を終えた時点(ACLのスケジュールの都合で川崎は16試合を消化)で、8勝5分3敗/26得点・14失点と成績では劣るが、ここからさらに勢いを増しそうな予感が漂う。
 
「強いものが勝つのではない。勝ったものが強いのだ」とは、かの有名なフランツ・ベッケンバウアーの言葉だが、チャンピオンシップ準決勝、天皇杯決勝で涙を飲んだ昨季の川崎はその言葉の意味を嫌というほど思い知った。
 
 最後に笑うために――。“新生フロンターレ”は静かに進化を続け、大成の時を待っている。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 

最終更新:7/2(日) 11:30
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