ここから本文です

めんそーれ!インターナショナルなローカルプロレス団体「琉球ドラゴンプロレスリング」

7/2(日) 9:00配信

HARBOR BUSINESS Online

 今回は過去の連載でふれたこともある、日本最南端のローカルプロレス団体「琉球ドラゴンプロレスリング」(以下、琉球ドラゴン)について紹介しよう。

 団体の主宰者はグルクンマスク。地元の大阪・枚方(ひらかた)市でプロレス活動と格闘技講座を行っていた。のちに大阪プロレスの創設者スペル・デルフィン(現:大阪府和泉市議会議員)が旗揚げした沖縄プロレスに入団。沖縄へ移住し、覆面レスラー「グルクンダイバー」となった。

 沖縄プロレスは那覇・国際通り内の常設会場で週6日の興行を開催していたが、2012年に団体としての活動を終了し、会場も閉鎖された。

 多くの選手が活動の場を求め本土へ戻る中、グルクンダイバーは「グルクンマスク」と名を改め、翌2013年自身の団体・琉球ドラゴンを立ち上げた。沖縄でプロレスを続けること、また沖縄のプロレス文化を絶やさぬため、そして何よりファンのための決断だ。

◆沖縄ならではの豊かなキャラクター

 琉球ドラゴンの選手はみな沖縄にちなんだリングネームとキャラクターだ。2,000円紙幣の絵柄で知られる守礼門をモチーフとした「首里ジョー」、沖縄ソバの具に使われる豚アバラ肉からとった「ウルトラソーキ」などだ。

 素顔の女子選手でも、花からとった「ハイビスカスみぃ」、ソウルフードに由来する「ポークたま子」と徹底ぶりだ。

 生え抜き選手がおよそ半数を占め、沖縄出身の「うちなんちゅ」レスラーが多いのも特徴だ。

◆ローカルなのにインターナショナル

 ローカル団体でありながら国際色が豊かなのも特徴のひとつだ。

 琉球ドラゴンのリング常設会場「カデナアリーナ」はアメリカ空軍嘉手納基地(嘉手納飛行場)のすぐそばの商業施設ネーブルカデナ内にある。

 興行の告知ポスターは日本語と英語の二言語で書かれ、アメリカドルでチケット代を支払うことも可能だ。

 また沖縄からわずか1時間半ほどで行ける、台湾のプロレス団体・「新台湾プロレス」(NTW)との交流も盛んで、日台の選手でタイトルマッチが行われるほどだ。

 新台湾プロレス所属選手のひとり、レッカ(烈火)は沖縄に住んで経験を積み、東京の団体・DDTプロレスリングの若手ブランド「DNA」に新台湾との2団体所属の形で入団した。

 日本語が堪能なこともあり、日台のプロレス文化交流の担い手として期待されている。

◆洋上、洞窟、養護施設。どこでも出張。

 琉球ドラゴンはフットワークが軽い。常設会場のみでなく、沖縄の各地でも大会を開催している。

 海上にリングを浮かべビーチから観戦する「洋上プロレス」、鍾乳洞・ガンガラーの谷での「洞窟プロレス」、牛と牛が闘う伝統娯楽が見られる円形競技場での「闘牛場プロレス」といった観光名所プロレスが代表例だ。

 また、チャリティにも積極的だ。障害者就労支援事業所が制作した選手グッズを販売したり、児童養護施設で大会を開催したりもしている。

 観光名所にとってはプロレスとのコラボで知名度が上がり、各施設は事業に必要な収入を得ることができる。関わる者すべてが何らかの形で幸せになる、ローカルプロレス団体のひとつの理想形だろう。

 沖縄は遠いように見えて、実は近い。東京から3時間弱、大阪からなら2時間ほどのフライトで行くことができる。LCC(格安航空会社)やツアー会社のセールを狙えば、本土内の旅行より安くなることも少なくない。

 カデナアリーナは那覇からクルマで約1時間の距離、先に述べたようなイベントプロレスもある。機会があればぜひ足を運び、地元のファンといっしょに楽しんでほしい。

 どこの沖縄フェアや物産展でも味わえない「島んちゅぬプロレス」がそこにある。

<文・たこ焼きマシン>

【たこ焼きマシン】

名古屋在住のローカルプロレス探求家。ローカルプロレスファンサイトたこ焼きマシン.com、スーパーたこ焼きマシン.comを運営。北海道から沖縄、台湾まで未知のプロレスを求め観戦に遠征する。ご当地プロレスラーガイドブック『ローカルプロレスラー図鑑』をクラウドファンディングで発行。オンラインストア。元・小中学校教員、障害者職業能力開発校講師。夢は世界中すべてのご当地プロレスを観戦しての『ワールドローカルプロレスラー図鑑』制作。

ハーバー・ビジネス・オンライン