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モンハン漬けの潜入取材で見えた「オタクとは何か?」10年にも及ぶオタク生態調査の集大成

7/2(日) 18:00配信

ダ・ヴィンチニュース

「オタク」という言葉が一般的に使われるようになって久しい。名付け親は編集者の中森明夫だといわれているが、現在ではアニメやマンガ、ゲームなどにのめり込んでいる人を指す言葉として定着している。しかし、車やファッションが好きな人は「オタク」ではないのか? そもそもただのファンから「オタク」と呼ばれるようになる基準はどこにあるのか?

 ゼロ年代初頭からオタクの実態調査に取り組んできたライター、大泉実成氏の集大成となる一冊が『オタクとは何か?』(草思社)である。体験取材や識者との対談を通して明らかになる「オタク」の真実は、「オタク」に対してなんとなくネガティブなイメージを抱いている読者にも、新しい視点をもたらすことだろう。

 大泉氏は特にアニメやマンガに惹かれることなく生きてきたが、『新世紀エヴァンゲリオン』との出会いで衝撃を受ける。生まれて初めて二次元ヒロインの綾波レイにハマってしまったのだ。

 どうして人はアニメに心を奪われ、キャラクターに恋をするのか? その理由を『萌えの研究』の中で綴ったものの、大泉氏にはまだ釈然としない「オタク」への疑問があった。なぜなら、どんなに綾波が好きで、取材の過程で大量のアニメやゲームに触れようとも、大泉氏は自分が「オタク」になったとは思えなかったからだ。

 そこで、大泉氏は2006年からオタクショップのアルバイトに就き、現場で働きながら「オタク」と実際にコミュニケーションしようと試みる。取材と理解したうえで、当時44歳だった大泉氏とも親しく接してくれる若い同僚たちが微笑ましい。やがて、大泉氏と同僚たちはプライベートも共にするようになっていく。

 定期的にアニソン縛りのカラオケに出かけ、出勤終わりの楽しみといえば駐車場や24時間営業の飲食店でモンハンに興じること。大泉氏はどっぷりと「オタク」ライフに浸かっていく。同僚の一人に彼女ができて、深夜のモンハンができなくなることに立腹するエピソードを読んでいると、もはやどこまでが取材でどこまでが趣味なのか分からない。

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