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【インタビュー】「史上最年少監督」は、たった1年で「新世代の名将」に

7/3(月) 21:34配信

footballista

「記録よりも、選手が魅力的なサッカーを実践してくれることを誇りに思う」

Interview with
JULIAN NAGELSMANN
ユリアン・ナーゲルスマン
(ホッフェンハイム監督)


史上最年少28歳でのブンデスデビューは、壮大なシンデレラストーリーの始まりに過ぎなかった。就任時、降格圏に沈んでいたクラブをわずか1年後に史上初となるCL出場権獲得へと導き、自身はブンデス最優秀監督賞を受賞。今やその年齢ではなく手腕で注目を浴びる存在となった新世代の名将のサッカー哲学に触れてほしい。


インタビュー・文 ミヒャエル・プファイファー
翻訳 鈴木達朗
協力 『キッカー』


大躍進に対する自己評価
今のチームは10点満点だと6点。実際の出来以上に勝ち点を獲得できている


──29歳という年齢は、時間があっという間に過ぎてしまう、と文句を言うような歳でもないですよね。この1年、ブンデスリーガで過ごしてみていかがでしたか?

「いや、あっという間だったね。今までの人生で最も短く感じた1年だったよ。日常の仕事に没頭して、スリリングなことが次から次に起こるんだから。退屈には決してならないね」


──この1年で、人として変化がありましたか?

「それはないと思う。自分の人となりは、職業上の役割とは切り離しておきたいと思っているんだ。とはいえ、仕事がその人に多少の影響を与えてしまうのはしょうがないけどね」


──監督としてはどうでしょうか?

「人は成長し続けるものさ。新しいアイディアや方法を思いついたり、やっていくうちに洗練されていくものもあるしね。でも、基本的なコンセプトは変わらない。常に新しいことを実験しながら、使えないと判断したものは選り分けてまた新しいことを試すんだ」


──プロを指導することと育成年代をトレーニングすることは、内容的には変わらないのでしょうか?

「プロの方が、トレーニングを少しだけ早く次へと進められるかな。育成年代の選手の方が、同じテーマのトレーニングに取り組む回数が多い。でも、プロでも同じインプットを繰り返す必要がある選手も多くいる。他の選手に比べて、自分のことで精一杯の選手もいることにはすぐに気づいた。一度何かを言えば、最終節までその通り行くようなものでもないしね」


──あなたの理想的なサッカーを基準とすると、今のチームは何点の出来でしょうか?

「10点満点だと6点かな」


──たった6点ですか?

「勝ち点に関しては、実際の出来以上に獲得できていると考えている。だから、それとは切り離して考えないといけない。凄く良いプレーをした試合もあるよ。例えば、シャルケ戦(第5節/2-1)は稀に見るぐらい良かった。あの試合には8点ぐらいはつけたいね。守備がよく機能して、相手陣内で多くのボールを奪い返すことができた。一方で、4点しかつけられないような試合もあった。4-4で終わった(第2節)マインツ戦の前半のようにね。でも、僕らは時間が経つにつれてより良いサッカーができるようになっているよ」


──10点満点は今のメンバーで可能ですか?

「メンバーのことは別にして、満点のサッカーを実現するなんてとても難しいものさ。影響を与えるファクターが数多くある。好調の選手がそろっているとは限らないというのはその一例だ。本来なら、10点は存在しないものとして考えないといけない。それぞれが夢見る完璧なサッカーなんだから。とはいえ、僕は今のメンバーを非常に高く評価しているよ。とてもバランス良く組み合わされた構成で、実際に多くのことをピッチ上で実践してくれている」


──今のチームにはあなたから見て何が欠けていますか?

「守備の部分だ。冬に特に重点的にトレーニングしたけれど、どの試合でも本当に良い出来だったとは言いがたい。ただ、それはどのチームも一緒でドルトムントやバイエルンでさえそうだからね。特に、ボールをポゼッションして試合を支配しようとするチームの場合、メンバー構成だけでも一苦労だ。状況に応じて、完璧に守備に集中させるのは非常に難しい。僕らは対戦相手に簡単にシュートチャンスを与えてしまっていた。中でも不満があったのはボールロスト後の動きだ。まったくチームとして連動できていないことがよくあった。最終ラインに不必要な人数が並んでいたんだ。守備が安定するような気持ちになるけれど、それは錯覚だよね」

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最終更新:7/3(月) 21:35
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