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ハリル監督も学んでほしい「得点がどんどん入る」ナポリの組織戦術

7/3(月) 17:20配信

webスポルティーバ

 2016-2017年シーズンのセリエAを3位で終えたナポリ。前シーズンのリーグ得点王であるゴンサロ・イグアインを手放しながら、ここまでの好成績を残すことができた要因は、ひとえにマウリツィオ・サッリ監督の手腕にある。

【写真】元銀行員サッリ監督の戦術とは…

 これは前回の記事でも紹介したが、サッリ監督の戦術を一言で表現するなら、「トータル・ゾーン」。それを機能させる上で最も大切なのは、「組織的状況判断」だ。

 守備において、相手が保持するボールが「どこにあるのか」「誰がどのような状況でキープしているのか」「どのタイミングで、どこへ通されるのか」を、チーム全体で判断を共有して連動する。ポジションを決めるための基準は「ボールの位置→守るべきゴールの位置→味方の位置」であり、通常のゾーンディフェンスで重要視される「ボールを持っていない相手選手の位置」が考慮されることはない。

 そんなポジショニングの判断基準もそうだが、今にしてなお「カテナチオ」と形容されるイタリアサッカーの守備において、ナポリが実戦するそれはまるで違う。

 例えば、相手GKがフィードを蹴る場面では、センターラインから約20m後方の自陣内に最終ラインを置くチームが多い中、ナポリのDF4枚はセンターライン上に並ぶ。そのラインを超えた位置に相手FWがポジションを取れば、自ずとオフサイドになるため、相手GKはフィードを自陣内に蹴らなくてはならない。

 仮に、相手FWがラインを抜け、GKからセンターラインを超えるボールが送られた場合は、十分な奥行きを確保しているナポリ陣内の中でDF陣やGKが処理をする。相手FWがポストプレーに長けていてボールを収めることができたとしても、至近距離にいるナポリのMF陣とDF陣に挟み込まれて瞬く間にボールを奪われてしまう。

 こうしてボールを奪った後は、ナポリの長いポゼッションがスタートし、相手チームは前後左右にボールを追わされることで体力と集中力を同時に消耗していく。この、相手チームを翻弄するパスワークは、ナポリの攻撃面の特徴でもある。

 縦へ速い攻めを見慣れているサッカーファンにとって、ナポリの攻撃は時として緩慢に感じるかもしれない。ゆっくりとしたパスの交換が15本、20本、時には30本を超えて続く場合もある。しかし、それはチャンスを作るための重要な伏線なのだ。

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