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“元人見知り”の門脇麦に聞く変化のヒント「結局自分でセーブをかけていた」

7/4(火) 12:00配信

ザテレビジョン

門脇麦の主演映画「世界は今日から君のもの」が、7月15日(土)に全国順次公開される。

【写真を見る】門脇はこの日、ノースリーブのワンピース姿で登場

同作は引っ込み思案な元引きこもりの真美(門脇)が自立していく姿を、コミカルかつハートフルに描いた物語。ゲーム会社でバグ探しのアルバイトを始めた真美は、ひょんなことから、得意のイラストでゲームディレクター・矢部(三浦貴大)の窮地を救う。これを機に真美は矢部からイラストの仕事を依頼されるようになり、矢部への恋心も芽生え始めたかに思えたが…。

監督を務めるのは連続テレビ小説「梅ちゃん先生」('12年)、「ブラック・プレジデント」('14年)など人気ドラマの脚本を多数手掛けてきた尾崎将也。真美を取り巻く人々は前述の三浦の他、マキタスポーツ、YOUら、実力派のメンバーが名を連ねている。

尾崎が門脇に当て書きする形で作られたという役を、門脇はどのようにとらえ、演じていたのか。撮影の裏話に始まり仕事論に至るまで、気鋭女優の胸の内を聞いた。

■ 暗い女の子にはしたくなかった

――真美はフワフワした独特の空気感を持つ女の子です。門脇さんが演じる上で、どんなことを大切にしましたか?

まず、暗い女の子にはしたくなかったんです。真美は口数は少ないんですけど、ただ「暗い」とか「引きこもり」とかではなく、自分の世界の中で、ちゃんと自分の大事なものを分かっている女の子。それを大切に大切にしているという。そこは一番気を付けましたね。あとは、女版尾崎さん(笑)。真美の動きや話し方は、完全に尾崎さんのまねなんです。

――そうなんですか(笑)。尾崎監督はもう少しで還暦のナイスミドルですが。

尾崎さんそのものです。例えば質問しても、30秒ぐらい間が空いてから「あ…そうですね…」って返事を返してくださるところとか。

――真美のぽつりぽつりとつぶやくような話し方がとても魅力的でしたが、監督をイメージしていたんですね。

でも声に関しては、撮影に入る前にのどを壊してしまい、あの話し方につなげるしかない! みたいなところはちょっとありました(笑)。初日一週間ぐらい、蚊の鳴くような声しか出なかったんです。結果的にそれがよかったのかもしれません(笑)。

■ 宝箱みたいに、自分の中に「好きなもの」がしっかりとある子

――真美は尾崎監督が当て書きする形で作られたそうですね。

私と真美はタイプが全然違うと思います。あまりしゃべらないとか、インドアとか、そういうところは似ていないので。だから、当て書きという表現は少し自分ではしっくりきてない感じもしていて…。でも尾崎さんの中では、私のイメージはこういう女の子なのかも。

私が初めて尾崎さんと出会ったのが「ブラック・プレジデント」だったんですが、真美はその時のキャラクター(※)と少し似てるんです。きっとその役を演じている私に当て書きをしてくださったのかな、と思います。(※奥手な大学生・岡島百合。天然ボケでのんびりしているが、鋭い観察眼の持ち主)

――では役はすぐつかめました?

そうですね、台本を読んでなんとなくつかめました。というか、「ブラック・プレジデント」のときから、尾崎さんが求めている人物像がなんとなく分かっていたんです。なので、今回は何の違和感もありませんでした。でも動きには細かい指示もありましたね。背中を丸くとか、歩くときはひざをほぼ曲げずに、手をぶらーんとしたまんまで歩くとか。

――そんな真美を、門脇さんはどんな人物ととらえていますか?

世間から見たら、引きこもりとか、落ちこぼれとか、そんな言葉でカテゴライズされてしまうのかもしれないけれど、自分の中に大事なものがしっかりとある子ですよね。真美は子供の頃に持っていた宝箱みたいに、自分の中に「好きなもの」がしっかりとあって。そういう感覚が尾崎さんと似てるんだと思います。尾崎さんも口数が決して多いわけじゃないけど、好きなもの、大事なものがしっかりあって。

真美は自分の世界の中で、大事なものをちゃんと分かっていて、それを大事にできているという時点で、一個きちんと完結できていると思うんですよ。だから彼女は、例え周りの手助けがなくても、自分で道を見いだしていける子だと思っています。

■ 結局自分でセーブをかけてるだけで、人見知りじゃないかも

――先程、タイプが真逆だと仰っていましたが、真美に共感できる部分はありましたか?

私もあまり自分の思っていることや感情を表に出すことが得意ではないし、でも、私も大切にしてきたものとかがしっかりあったし、そういう意味では似ているのかもしれません。

私も中学、高校のときに、どうやって人間関係を構築していいか分からなくなっちゃった時期があったんです。ただの思春期なんですけど、ちょっとうまくいかなくて、そのままこの仕事を始めたんですね。なので当時は、仕事で関わる監督や共演者の方をどんどん好きになっていくのに、その好きをどう表していいか分かりませんでした。人見知りだし、コミュニケーションうまく取れないし。

でも「人見知り」で終わらせるのって、やっぱりもったいないなと。結局自分でセーブをかけてるだけで、人見知りだと思ってるけど人見知りじゃないかもしれないなって思い始めてから、変わりましたね。

だから今、すごい楽です。初めて会う方はもちろん緊張しますけど、どんどん話しかけますし、この人面白そうと思ったら自分から積極的にアタックします。現場は人との出会いの場なので、そこを楽したいと思っています。私にとって仕事は、そこにいる人たちと仲良くしにいく時間みたいになってます。

――仕事の取り組み方も変わりました?

全く変わりました。楽しくなりましたね。前はしんどい役が多かったっていうのもありますが、割とストイックな性格なので、一回役に入り込むと日常にまで引きずって、どんどん気持ちが重くなっていました。

仕事をいっぱいいただけるのはうれしいはずなのに、いつもしんどい…みたいな時期があったんですけど、今はそれがなくなって。

そこにいる現場の人たちを、よく見るようになったかな。以前は矢印が全て自分に向いていたんですが、やっとこさ外に向けられるようになってきて、だいぶ楽になりました。

■ 毎日こつこつやってないと、きっかけが来ても変われない

――何か具体的な変化のきっかけがあったのでしょうか?

後から振り返ると、あの出来事が一歩のきっかけだったのかな、というのはあると思うんですけど、でも日頃の行いが全てだと思っています。毎日毎日こつこつしっかりやってないと、そのきっかけが来た時も変われないと思うんです。絶対に。

一個大きな作品をやって変わる、ということももちろんあると思います。私だったら「愛の渦」('14年)で名前を知ってもらって、というのはありますけど、でも毎日の試行錯誤が全てだと思います。ポッと来たチャンスに、どれだけアンテナが張れている状態で日々過ごしているか。とてもいいチャンスが来ても、気付かず通過していってしまうことはたくさんあると思いますし、だから、きっかけって偶然じゃないと思うんです。

――では真美のように一歩踏み出せずにいるとき、門脇さんはどのように自分の背中を押しますか?

でもそういう時期って、チャンスだと思うんです。自分が進みたいと思っているからこそ、悩んでしまうわけですよね。そこで諦めてしまったらそれまでだけど、そこでいかにもがくか。

もがけるチャンスなんて滅多にないから、「よっしゃきたこの時期!」ぐらいの心構えでいいと思います。私はいつもそうですね、「悶々期来た!」みたいな(笑)。これを乗り越えたらもうちょっと進める、みたいに考えてます。

――プラス思考なんですね。

すごくプラス思考だと思っています(笑)。悩みがあることは幸せだとすら思うので。

――昔からそういう考え方でしたか?

昔からですね。バレエをやってたことが大きいと思うんですけど。例えばバレエで三回転ができなくて悩む時期があっても、ちゃんと練習すればできるようになるっていうことを子供の頃から体で覚えてきてるので。それが根っこにあるので、出来ない、という事をマイナスに感じないのかもしれません。

とは言え、できないこともあるんですけどね(笑)。でもそれはそこまでと割り切るしかない。大事なことは、毎日こつこつ続けることだと思います。そうすると、転がり込んできたチャンスを見逃さず、うまくつかめると思うんです。

最終更新:7/4(火) 12:00
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