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鹿島の個の力に屈すも、柏レイソルはこの敗戦でもっと強くなるだろう

7/4(火) 7:50配信

webスポルティーバ

 シーズンの折り返しとなるJ1リーグ第17節。首位の柏レイソルと、消化試合数がひとつ少ないながら3位につける鹿島アントラーズの一戦は、両チームともにその順位に違(たが)わぬ質の高いサッカーを見せつけた。

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 前半、主導権を握ったのは柏のほうだった。持ち前のハイプレスで鹿島のパスの出どころを抑えると、ボールを奪えば両サイドのスピードを生かした攻撃で鹿島陣内に攻め入る。

 とりわけ際立ったのは、球際の攻防だ。前線ではFWクリスティアーノが身体を張ってボールをキープし、後方ではDF中山雄太とDF中谷進之介の若いセンターバックコンビが相手2トップのFW金崎夢生とFWペドロ・ジュニオールに仕事をさせなかった。

 また、ボランチのMF手塚康平の攻守にわたる貢献度も絶大で、最終ライン手前でピンチの芽を摘み、正確なパスで攻撃のリズムを生み出していく。24分に生まれたMF大谷秀和の先制ゴールも、センターライン付近でボールを動かしながら隙を探る手塚の巧みなパスワークがきっかけとなっていた。

 自信と勢いが備わる若きチームが王者を苦しめる構図は、現状打破を望み、常に新しいものを求める人間の深層心理を大いに刺激した。

 もっとも、新勢力が体制を打ち破るのが容易でないことは、これまでの歴史が証明している。それは、サッカーの世界でも変わらない。伝統の勝負強さを備え持つ老獪な王者は、押し込まれながらも次第に主導権を掌握し、勇敢な挑戦者を瀬戸際で退けてみせた。

 流れを変えたのは、個の力だった。1点ビハインドで迎えた53分、ここまで相手のマークに苦しんでいた金崎が左サイドでボールを受けると、中に切れ込んで豪快に右足を振り抜く。強烈な一撃はコースこそ甘かったものの、日本代表にまで上り詰めた若き守護神GK中村航輔の手をすり抜けてゴールに突き刺さった。

 さらにその3分後には、MF永木亮太の「狙ったわけではない」フリーキックが絶妙なコースに飛び、幸運な形で逆転に成功。すぐさまクリスティアーノに同点ゴールを奪われるも、72分に今度はペドロ・ジュニオールが圧巻の個人技からゴールを突き刺してふたたび勝ち越すと、その後は粘り強く対応しながらしたたかに時間を使って、3-2と逃げ切った。

 これで鹿島は、大岩剛監督が就任して以降、4連勝を達成。序盤戦は苦しんだ昨季のリーグ王者が、ようやく本領を発揮してきた印象だ。

「(前半に)1失点しましたけど、ヤバいなという感じはなかった。(ハーフタイムに)監督も『失点以外は問題なかった。これを続けていけば必ず逆転できる』と言ってくれたし、それを信じた結果。この勝利はかなり大きいと思います」

 そう振り返ったのは、日本代表センターバックのDF昌子源だ。とりわけ、逆転直後に追いつかれながら再度突き放した展開に、この勝利の価値を見出していた。

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