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コラム「宮市へのエール――度重なる怪我にも屈しなかった先達に続け!」

7/4(火) 16:38配信

SOCCER DIGEST Web

その瞬間、痛み以上の絶望に襲われる…

 6月28日、ブンデスリーガ2部のザンクト・パウリは、所属する元日本代表FWの宮市亮が右膝前十字靱帯断裂で戦線離脱したことを発表した。

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 宮市は、2015年7月に左膝前十字靱帯断裂という全治約9か月の重傷を負い、長い時間を治療とリハビリに費やし、ようやく復帰して軌道に乗ったところだった。まさに、これからというところで、再び大怪我に見舞われることに……。

 その絶望感は、本人にしか分からないだろう。

 サッカー選手にとって、怪我はほとんどの場合、唐突に訪れ、そして容赦がない。

 とりわけ膝の怪我は、多くの選手生命を奪ってきた。たとえ復活できたとしても、再び同じ状況に追い込まれるケースが少なくない。それは、心をへし折られるほどの衝撃だという。

 拙著『アンチ・ドロップアウト』(集英社)で、天才といわれた財前宣之のノンフィクションを書いた。彼は、1年間に2度の左膝十字靱帯断裂を経験し、復活しかけた3年後、今度は右膝前十字靱帯を断裂している。その時を振り返って財前が語った言葉が、忘れられない。

「本当にやめようと思いました、サッカーを。やりたくても、サッカーをやれないわけじゃないですか? 靱帯(損傷)は、復帰までに半年以上、約1年ですから。牢屋に入っているようなもんですよ」

「靱帯を切ると、信じられない痛みで、もんどり打って倒れるんですけど、3分もすると激痛はやむんです。でも、ドクターから注射針を幹部に差し込まれ、血が出るとアウト。靱帯が切れているというサインなんです」

 痛み以上の絶望が襲うのだ。

 前十字靱帯断裂は、長いリハビリを強いられ、辛い日々が続くが、実は後遺症も酷い。膝に靱帯を補強するためのビスが入り続けるため、私生活では正座もままならず、冬にはぎしぎしとビスが音を立てる。冬はいきなり身体を動かすと、膝が抜けた感覚になる。

 サッカー選手は大きなリスクを抱え、日々の戦いに挑んでいる。そして、そこで屈しない姿が、周りに勇気を与える。

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最終更新:7/4(火) 16:44
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