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自分だけの一本を! 正しい「包丁選び」のための基礎知識

7/4(火) 21:40配信

オトナンサー

「和包丁」と「洋包丁」の違い

 私たちが普段使っている包丁は、ほとんどが洋包丁か、洋包丁に似た作りの包丁です。「日本人なのに和包丁じゃないの」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、和包丁は一般家庭では少し扱いにくい包丁なのです。

 料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんによると、包丁は「和」「洋」「中」と大きく3系統に分かれますが、和包丁は特殊で、日本刀と同じ発想で作られたもの。和包丁は一つの食材や料理に特化することで、それ以外の包丁にない使いやすさを実現しています。たとえば、刺身に特化した「刺身包丁」、野菜用の「菜切り包丁」など。伝統的な和包丁には「これ一本あれば何でもこなせる万能包丁」というものがないのです。

 現在、一般家庭で使われている包丁は、肉食が普及し始めた戦後に和包丁から進化した「三徳包丁」というハイブリッド包丁です。

和包丁は基本的に片刃

 代表的な和包丁は「薄刃」「出刃」「刺身」「菜切り」ですが、これらの包丁は片面しか切れない「片刃包丁」。慣れると効率的に切れますが、プロではない私たちがいきなり片刃包丁を使うとまっすぐ切れずに戸惑ってしまいます。片刃なので当然、右利き用と左利き用が存在します。

 私たちが家庭で使っている三徳包丁は洋包丁の特徴でもある「両刃」で、どちらの面でも切ることができます。

「プレス包丁」「霞包丁」「本焼き包丁」

「プレス包丁」「霞包丁」「本焼き包丁」とは、包丁の材質とその重ね合わせの種類です。包丁がスパッとよく切れるのは金属だからですが、とにかくよく切れる材質が「鋼」。しかし、鋼はさびやすく、砥石で研ぐなどの手入れをしないとすぐに切れなくなってしまいます。また「硬くて加工しにくい」「価格が高い」「重い」などの欠点もあります。

 三徳包丁の中でも特に値段が安い物は、包丁用の安価な鋼の板をプレス機で包丁型に型抜きしてから、研いで刃を作るプレス包丁がほとんど。片刃の和包丁や値段が比較的高い一般家庭用の両刃包丁は、刃の面が鋼やステンレス、それ以外が軟鉄という合わせ包丁で別名を霞包丁といいます。

 霞包丁はとにかく使い勝手が良くてさびにくく、頑丈で切れ味十分という利点があります。異なる種類の金属を「合わせ」ているため、ゆがみが出やすい欠点もありますが家庭用なら問題なく使えるでしょう。

 私たち一般人は手にすることがないであろう、熟練のプロの包丁、それが本焼き包丁です。使われている鋼材は「鋼」1種類のみ。日本で作れる職人さんは数が限られており、キャリア30年以上のベテラン職人しか作ることができません。刃が欠けやすくさびやすい、料理人でも熟練者しか扱えない包丁です。

 本焼き包丁は、霞包丁の3~5倍の切れ味で、食材の繊維をつぶすことなく、非常に美しく繊細に切ることができます。値段も霞包丁の3~5倍ですが、高価な鋼素材のため仕方ありません。また、霞包丁のようにゆがむことはなく料理人に愛されています。

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最終更新:7/4(火) 21:45
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