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直木賞作家の原作小説『結婚』を、ディーン・フジオカで妄想読書。 [with]

7/4(火) 18:01配信

講談社 JOSEISHI.NET

ディーン・フジオカが笑顔を封印して演じる『結婚』は、その無敵のビジュアルと知的な雰囲気で次々と女性をだます結婚詐欺師・古海を演じる意欲作。スーツ姿でピシッとキメたディーン様のカッコよさはもちろんのこと、ささやく甘い言葉、歌い踊る姿、キスシーンやベッドシーンなど盛りだくさん。こんなに素敵なんだからもうしょうがないよね……と半ばあきらめに似た気持ちで、次々騙されてゆく女子たちを自分に置き換えながら妄想できる、というファンにはたまらない作品になっています。

さてこの作品を見たら、ぜひぜひ読んでいただきたいのが、直木賞作家・井上荒野による原作小説『結婚』です。これまでも『つやのよる』『誰かの木琴』などいくつかの作品が映画化されている井上荒野ですが、私はこの人の小説が大好き。日常生活に倦怠を抱える女性が、ふと芽生えた恋愛感情に小さな希望を見出し、依存し、飲み込まれ、少しずつ少しずつ冷静な判断を失ってゆく――という様子を描いてこんなに上手な人はいません。そんなわけで「結婚詐欺」は、まさにこの人にピッタリのモチーフなんですね。

でもこの小説が『結婚詐欺』でなく『結婚』というタイトルなのは、小説の中で詐欺師・古海が落としたターゲットのほとんどが既婚女性で、なぜ古海に引っかかってしまったのか、古海によって崩壊した結婚がその後にどうなったか、さらに古海が結婚詐欺を始めたのはなぜか(映画とは異なる理由です)などを描くことで、「結婚」がどういうものなのかを浮き彫りにしてゆく作品だからです。

互いに嘘をつき、嘘だと知りながら信じ、信じていないのに信じているふりをし、信じているふりだと知りながらなんとなくホッとする――そうして続いてゆくなんともサスペンスフルな結婚のリアル。結婚を意識する世代にこそぜひ触れてもらいたいなー。

何よりいいのは、映画を見た後に原作を読むと、頭の中でディーン・フジオカが動いてくれること。妄想読書で映画とは違うディーン様をお楽しみいただけますよ~。

『結婚』絶賛公開中!

文/渥美志保