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米韓首脳会談、結局「負けた」のはどちらか

7/4(火) 6:00配信

東洋経済オンライン

 先週末行われた韓国の文在寅大統領と米国のドナルド・トランプ大統領の首脳会談前、韓国内には緊張感が漂っていた。両国首脳の衝突がついに公になるのではないか、握手があまりにも長い間続くのではないか、あるいは、トランプ大統領の敵意をむき出しにしたツイートが文大統領へ向けられるのではないか、といったおそれが広がっていたのである。

 しかし、会談初日が終了した後、韓国政府高官には安堵感が広がっていた。文大統領の国家安全保障問題担当の上級補佐官によると、文大統領とトランプ大統領の晩餐会は非常にうまくいき、晩餐会は35分延長されたのだという。

■やはりトランプは想定外のことをする

 その後、韓国が米国に対する考えを改めたと思わせる場面がいくつかあった。トランプ大統領は北朝鮮の脅威についても話したが、それ以上に、韓国が貿易不均衡の象徴になっているという話に多くの時間を費やした。トランプ大統領は、韓国を、自分がどのようにして貿易不均衡の問題を解決するかという例にしようという意図を公然と示したのである。

 トランプ大統領はさらに、貿易不均衡の主張に関連して、韓国が軍事費の分担に十分貢献していないという話まで持ち出した。貿易不均衡や軍事費分担の問題は両方とも日本のほうが深刻であるにもかかわらず、安倍晋三首相との会談ではこの話は出てこなかった。

 それでも韓国政府や韓国メディアはあらゆる不和の兆候を気にしていたため、この程度のことはあまり重要でなく、両首脳が個人的な絆を形成し、トランプ大統領から「すばらしい相互関係」という認識を得たことのほうが重要だった。これは、トランプ大統領の訪問前に設定されていた成功の定義であり、それが達成されたのである。

 文大統領と文政権は最悪の事態を十分に理解していた。文大統領の主要顧問の多くは、盧武鉉元大統領による革新政権の経験者であり、文大統領自身、首席補佐官を務めていた。盧元大統領と、ジョージ・W・ブッシュの保守系共和党政権との間の緊張は広く知られていたが、これは米国の北朝鮮に対する強硬路線によって引き起こされたものだ。

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