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買いの1台はこれだ!──欧州実用車

7/5(水) 12:10配信

GQ JAPAN

ここ数年で衝突回避ブレーキといった最新デバイスが採用されるようになってきた欧州のエントリーモデル。現地事情に詳しい森口将之、南陽一浩が「買いの一台」を厳選した。

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■完熟系シャシーを狙え

南陽─大前提として、新しいモデルが出ると、みんなそっちに飛びつきがちだけれど、最近のヨーロッパ車の新しいモデルなんてだいたい乗り心地が硬すぎだと思いませんか。それがモデル末期になると熟成されてきて、しなやかになる。狙うのなら、そういう完熟系シャシーがいいと思う。

森口─モデルチェンジ直前の消えゆくモデルを消え去る前に手に入れるのが通だと。

森口─いまなら、たとえばシトロエンC4の1.6リットルディーゼル。プジョーの308も同じエンジンを積んでいるけれど、C4は308よりひと世代古い「プラットフォーム2」を使っている。だから走ればユルユル、アイドリングストップもプルプル、なのにスピードを上げると不思議にビタッとくる。

森口─90km/hくらいから、ピタッとね。

南陽─首都高速を走りながらホットコーヒーが飲める。ステアリングがビシッビシッと決まってくれるから運転中、片手でコップが持てるし、乗り心地がいいからこぼれない。

森口─308のステアリングホイールはスポーティな小さい径だけど、C4のはデカくて細いタイプ。あれはリラックスして運転できるね。それと熟成でいえば、ボクはBMW1シリーズがいいな。次はFF(前輪駆動)になるらしいから、現行型はスゴく価値があると思う。あれの3気筒1.5リットルターボ。ミニの3気筒はガサツな感じがして僕は嫌だけど、それを縦置きにした1シリーズは不思議なくらい気にならない。FR(フロント・エンジンの後輪駆動)ならではの走り味って、あのクラスではこれだけだからね。しかもBMWってFRらしさを積極的に出す会社だから。

RRっぽさとは?

■RRっぽさとは?

南陽─もちろん何事にも例外はあって、ニューモデルでもルノー・トゥインゴは楽しいと思った。久々のRR(リア・エンジン/リア・ドライブ)で、一昨年フランスで出てすぐに乗ったんだけど、乗り心地が硬くてピシピシな感じがあって、やっぱりシャシーが真新しいし、ドイツのスマートと共同開発だからな~ってちょっと諦めていた。ところがわずか2年後に日本で乗ったらよかった。

森口─日本仕様のトゥインゴはちゃんとルノーの乗り味になっているよ。

南陽─しなやかだし、嫌な尖り方もない。

森口─ハンドリングも、同じパッケージのスマート・フォーフォーより、RRっぽい感じを出している。スマートは意図的に消しているんだろうね。RRっぽいのが好きな人はフォーツーをどうぞ、という棲み分けがスマートのなかにあるんだと思った。

南陽─かといって、素のトゥインゴはRRを過度に期待して買うクルマではないな。RRっぽさがかすかに漂うという感じ。

森口─ただね、フランスではエンジンがスマート・ブラバスと同じGTというグレードがあるんだけど、これはRRっぽさが濃い。それに、GTはマニュアルを持ってくるかもしれない。

南陽─ちょっとくらいケツを出してくれるかも? そもそもトゥインゴは向こうだと、田舎でおばちゃんも通勤に使うようなクルマ。日本の軽自動車的な役割を担っているから、ケツなんて出たら本当は困る。雪の降る地方にも販売されるわけだし。

森口─開発の人に聞いたら、ケツを出す、つまり突然のオーバーステアは60年代のRRの話であって、現代の実用車で、しかもエントリー・カーだから絶対アンダーステアにしないといけないと。その中でリア・エンジンっぽいテイストを出すようにした、とはいっていた。ともかく、昔のRRみたいなことには良くも悪くもならない。でも明らかにFFとは違うよ。日本仕様はいまのところデュアルクラッチしかないけど、シングルクラッチのオートマチックのVWのup !と較べると、トルコンATのクルマから乗り換えても違和感がない。

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最終更新:7/5(水) 12:10
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