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欅坂46、ドラマ『残酷な観客達』と主題歌が示すグループの行方 現実と交差するメタ構造を考察

7/5(水) 14:00配信

リアルサウンド

 欅坂46がドラマ『残酷な観客達』の主題歌である「エキセントリック」を、7月1日に放送された音楽番組『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』(以上、日本テレビ系)で、テレビ初披露した。そのパフォーマンスは、放送直後にTwitterのトレンドで1位になるほどの注目を集め、欅坂46が持つ独自の世界観を世に知らしめる絶好の機会となった。

 『残酷な観客達』と同じ制服姿で登場したメンバーは、歌う前に菅井友香のお願いとして、司会の羽鳥慎一アナウンサーと共に「ズームイン」の掛け声を披露。可愛いくもシュールな光景を見せた後、カメラに楽しそうに手を振りながらステージへと向かう。

 しかし、ステージでは中央で肩幅ほどに足を開きながら仁王立ちでうなだれる平手を囲むようなセットポジションに入り、歌が始まると睨みを利かせながら歌い出す。「ズームイン」の可愛らしい前フリとは真逆の攻撃的な歌詞とダンス。そのギャップは、視聴者を欅坂ワールドに釘付けにした。ダンスでは履いていた靴を手で振り回して投げ、マイケル・ジャクソンの楽曲「スリラー」に出てくるゾンビのようなダンスには、圧巻という言葉しか見つからない。楽曲のタイトルの通り、エキセントリックなパフォーマンスを見せつけた。

 長濱ねるは放送直後のSHOWROOMで「TAKAHIRO先生からエキセントリックのパフォーマンスは0か100って言われてて。0で全然ダメか100で凄いって言っていただけるか。だから今日は勝ちにいきたかったんですけどどうだったでしょうか」とコメントしている。放送後の反響を見ると、欅坂46を知っている人はいつものかっこいいパフォーマンスと評価する一方で、知らない人はまったく理解できないといった様子。ネット上での賛否両論は、『残酷な観客達』で描かれる生徒たちの状況と重なっていて興味深い。言わば、同ドラマの「校外授業篇」のようにも感じられた。

 音楽番組でのパフォーマンスとあわせるように、本日7月5日に放送される第8話では彼女たちのダンスがキーとなる。体育館からプールに移動した後、再び観客から「いいね」を獲得するために努力を重ねる生徒たち。しかし、プールサイドに観客の男が乱入してくるハプニングや、一向に伸びない「いいね」の数に、生徒たちは混乱と恐怖の表情を見せ、次第にぐったりしてしまう。

 そんな中、痺れを切らした11番・杉崎凛菅井友香はある行動でさらなる混乱を招き、出席番号12番・須原美空鈴本美愉は「いいね」を達成するために、不意にダンスを披露。すると須原に鼓舞された生徒たちは、1人、また1人と無言で欅坂46の楽曲「語るなら未来を…」を踊りだす。

 今までの出来事をそれぞれが振り返り、踊りを通してバラバラだった個性がひとつになっていく姿は、彼女たちの様子に不満を漏らしていた観客の心を動かしていく。モノマネや変顔で「いいね」を獲得しようとしていた少女たちが、スイッチが切り替わったようにクールなダンスを披露し、観客達の視線を釘付けにする。観客達が彼女たちのダンスに向ける視線は、『THE MUSIC DAY』で「エキセントリック」のパフォーマンスに圧倒された視聴者と通じるところがある。

 時折、現実とドラマが重なり合う、メタ的な演出が度々盛り込まれるてきた同ドラマ。ダンスで心を通わせた彼女達の運命は、一体どこへ向かっていくのだろうか。もしかすると、最終話には欅坂46としての運命の行方も示すなにかが、用意されているのかもしれない。

本 手

最終更新:7/5(水) 14:00
リアルサウンド