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安倍政権とトランプ政権は「民主主義」を潰す

7/5(水) 5:30配信

東洋経済オンライン

 7月2日日曜日の深夜に流れた東京都議選での自民党の歴史的敗北の映像をデジャビュ(既視感)をもって見てしまった。

 2007年7月、自民党は安倍晋三首相のもとで行われた参院選で大敗した。直前の通常国会は「消えた年金問題」で荒れたが、自民党は強引な手法で年金時効特例法などを成立させた。また、閣僚らの問題発言や不祥事が相次ぎ、首相はそれをかばい続けた。安倍首相は「美しい日本」「戦後レジームからの脱却」と、具体的なイメージは湧かないが右派勢力の喜びそうなキャッチフレーズを掲げていた。10年を経て、同じような光景が国民の前で繰り広げられたのである。

 2000年代に入り国政選挙で与野党の議席が劇的に入れ替わることが何度も起きている。いずれも有権者が野党勢力を積極的に評価した結果ではなく、与党の失政や不祥事など自滅によるものであった。今回の都議選の結果も、国政での自民党のお粗末な対応が生み出した結果である。

 何の実績も経験もない都民ファーストの若い候補者に有権者が積極的に1票を投じる理由はない。つまり有権者は自民党に嫌気がさし、自民党以外の受け皿を探していたのだ。小池百合子都知事はこうした潮目の変化を感じ取り、見事に対応した。日本新党で初当選し、以後、新進党、自由党など複数の政党を渡り歩いて生き残ってきた政治家だけに、勝つことを知った対応だった。

■『フォーリン・アフェアーズ』のトランプ批判

 問題は自民党がなぜ、ここまで嫌われたかだ。

 米『フォーリン・アフェアーズ』誌(Foreign Affairs Report)2017年6月号に面白い記事が掲載されていた 。「アメリカ政治の分裂と民主体制の危機」と題する記事で、ドナルド・トランプ政権によって「政府が反対派の不利になるよう国家権力を濫用する政治システムに変化していくおそれがある」という危機感にあふれた論考である。こうした民主主義の後退は、国民が気がつかないうちにさまざまな措置が講じられて進行していくというのだ。どういう手法を使うのか、著者たちは具体的に3つのパターンを例示している。

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