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ウィンブルドン主催者の憂鬱──コービン党首の名前を叫ぶチャントが沸き上がる?

7/5(水) 17:25配信

ニューズウィーク日本版

テニス4大大会の1つ、ウィンブルドン選手権が3日(月)に開幕したが、主催者はあることを心配している。度重なる英国でのテロや、大会日程を左右しかねない英国の気まぐれな天気ではない(もちろんそれらも心配だろうが)。コービン労働党党首支持者が盛り上がり、センターコートでサッカー並みのチャントが湧き上がることだ。

テニスで大騒ぎはご法度

テニスは紳士のスポーツと言われ、手に汗握るスポーツなのに、観客が声も立てずに観戦している様子はよく知られている。世界レベルの大会でしかも自国のスター選手が優勝候補となれば、サッカーや野球なら大騒ぎになるだろう。しかしテニスはひとたびボールが動き出すと、会場は水を打ったかのように静まり返る。もし観客がエキサイトしてしまいいつまでも声を出していると、審判に「Quiet, please(静粛に)」と、極めて冷静にしかし厳しい口調で叱られてしまう。ボールが動いている間は静かにしているのが、テニス観戦のルールだからだ。

このように観客側にも厳しいマナーが求められるのがテニスの大会なのだが、総選挙を6月に終え国内政治が不安定な中での開催で、ウィンブルドン選手権の主催者は今、頭を痛めている。労働党のジェレミー・コービン党首の熱狂的な支持者が会場で盛り上がり、センターコートでコービン党首の名前を叫ぶチャントが沸き上がる可能性が高いのだ。

テレグラフによると、ウィンブルドンの会場入り口には「政治スローガン禁止!」という警告が張り出された。政治的な主張が書かれた物や洋服の持ち込みも禁止だ。
「ナイフ持ち込み禁止」などの他に、「政治スローガン禁止」も

若者が集まるところにコービン・チャントあり

ウィンブルドンの主催者が今、コービン・チャントを心配するのも無理はない。ガーディアンによると、コービン氏の名前を叫ぶこのチャントはそもそも、5月にリバプールのウィラルで行われた音楽フェスティバルで始まった。ザ・ホワイト・ストライプスというバンドの『セブン・ネイション・アーミー』という曲に乗せ、「お~ジェレミー・コービン!」と叫ぶものだ。若い世代を中心に支持者を増やしているコービン党首らしく、サッカーの試合や音楽フェスティバルなど若者が集まるところで、このチャントがたびたび沸き上がる。



ウィンブルドンが始まる直前の6月21日~25日、英国最大規模の音楽フェスティバル「グラストンベリー・フェスティバル」では、23日にメインステージでレディオヘッドが演奏中に、コービン・チャントが沸き上がった。このチャントはフェスティバルの間、至るところで起こったという(イブニング・スタンダード)。なお、ガーディアンとイブニング・スタンダードのリンク先では動画が見られるので、どんなチャントか興味がある人はご覧いただきたい。



チャントが起こったら

このままの勢いで行くと、国中が注目する大イベントのウィンブルドンで、コービン・チャントが起こるのは避けられそうもない。

ツイッターでは、コービン・チャントを楽しみにしているかのような呟きもみられた。例えば、ライアン・マレーさんの「お~ジェレミー・コービンのチャントが今年のウィンブルドンのサウンド・トラックになったら最高なんだけど」や、ヴィクさんの「昨日コービンがウィンブルドンのロイヤルボックスにいて、私がチャントを始めた夢を見た」というものだ。

主催者側は前出のテレグラフに対し、実際にチャントが始まったら、まずは審判が、おなじみのセリフ「静粛に」で鎮めると説明。それでもだめなら、最終的には該当者は会場から退場させられることになると話した。ただ、大勢でのチャントの場合、該当者をつまみ出すと言っても難しいだろう。

グラストンベリーと違い、もともと観客のマナーに厳しいウィンブルドンでチャントが起こったらかなり珍しい出来事になるだろう。試合は日本も含め生放送で世界中に配信されているため、テレビ観戦中にその瞬間を目の当たりにする可能性もある。

松丸さとみ

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