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川原泉、6年ぶりの新刊『バーナム効果であるあるがある』に描いた新しい挑戦とは? 愛蔵版も同時発売!

7/5(水) 11:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 7月5日、川原泉さんのコミックスが6年ぶりに発売される。女性マンガ誌『MELODY』で2003年から執筆している「~がある」シリーズの最新巻『バーナム効果であるあるがある』(白泉社)だ。

 このシリーズの舞台は、全国有数の超進学校・彰英高校だ。これまで『レナード現象には理由(わけ)がある』と『コメットさんにも華がある』の2冊が発売され、癒やしのハンドパワーを持つ蕨よもぎ、ゲイの兄に悩む塔宮拓斗、芸能一家に生まれた彬良航など、オムニバス形式でさまざまな生徒たちに焦点が当てられている。

 実はこのシリーズ、川原泉さんの新しい挑戦が随所に見られるのだ。川原さんも、『ダ・ヴィンチ』8月号「川原泉大特集」のロングインタビューで、シリーズについて「とっても新鮮で楽しい」と語っている。例えばこれまでの川原さん作品では、女子高生と大人の男性など年齢差のある恋がテーマとなってきたが、「~がある」では高校生同士のほんのりした恋の様子が多く描かれる。同インタビューによると、川原さんは「以前は年上の男性をかっこいいと思って描いていたが、自分が歳をとってその誤解に気付いた」のだそう。3年間クラス替えがない、男子寮・女子寮がある、“寮飯”の存在など、彰英高独自のコミュニティも詳細で楽しい。

『バーナム効果であるあるがある』に収録されるのは、表題作と「これから私は武士になる」の2編だ。

 表題作の主人公は、3年A組の如月真世。彼女はバレー部の部活の帰り、校長の息子にして事務長の冴木鷹彦が、火星人のルルーニュと話しているところを目撃してしまう。火星人といえば、「~がある」では学校の裏庭の噴水の彫像であり、前作の『ブレーメンII』には重要なキャラクターとして登場していた。なぜ、火星人は“くつくつ虫”と呼ばれ、地球人とコミュニケーション不能になったのか? 二つの作品をつなぐ大きな謎が明らかになり、ファンとしては決して見逃せない一作となっている。もちろんそれだけでなく、登場人物それぞれの魅力も際立っている。父の町工場をとても誇りに思っている真世、生徒の名前を全部覚えている鷹彦。互いの本当の心の内を知り、優しい関係を築いていく。学校とルルーニュとの秘密も素敵。笑いがいっぱいだが心にジーンと響く、この絶妙に繊細な描写は川原さんにしか描けないものだ。

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