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谷垣前幹事長、復帰のカンフル剤は「麻生太郎」への怨念

7/5(水) 5:58配信

デイリー新潮

 過去に自民党総裁でありながら、宰相になれなかった人間は2人しかいない。河野洋平元衆院議長と谷垣禎一前幹事長(72)である。議長という栄誉を授かった河野氏と比べ、谷垣氏は自転車事故で頸髄を損傷。長きに亘る不在からもうすぐ1年が経つ。復帰に向け懸命のリハビリが続くが、そのカンフル剤は身内議員への怨念だという。

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 6月16日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ「鶴の間」は、3000名もの人々で埋め尽くされた。

 谷垣グループ「有隣会」主催の政治資金パーティーには、主が不在にもかかわらず安倍総理をはじめ自民党の二階俊博幹事長、各派閥の領袖らが勢揃い。壇上では、グループの代表世話人を務める逢沢一郎元国対委員長が、谷垣氏からの手紙を、次のように代読した。

〈退院の時期をにらみながら、リハビリテーションに専念し、一日も早い復帰に向けて準備をいたしておりますので、あと少しの間、お許しをいただきたく存じます〉

 政界復帰への意欲が滲み出る言葉を披露した逢沢氏は、

「夏の終わりか、秋口には復帰してくれると、同志一同、確信しております」

 と、具体的な復帰時期にまで言及したのだ。大勢の前で“オヤジ”の健在ぶりをアピールするのには、抜き差しならない“事情”があると自民党関係者が言う。

「一部の支援者の間では、このパーティーに姿を現すと言われていた谷垣さんですが、実は入院している都内の初台リハビリテーション病院から転院し、別の場所で手術を受けていたのです。現在は再び初台に戻っていますが、術後の体調を考慮して、大事をとって表には出ない状況だというのです」

■自立歩行を視野に

 その兆候は、パーティーの前に現れていたという。

 政治部記者によれば、

「5月20日、総理は谷垣氏の入院する病院へ視察と称して見舞いに訪れる予定でした。その2日前には、官邸から同行記者の募集まで告知されていたのですが、急遽中止となってしまいました」

 そもそも、総理自ら足を運ぶのには、こんな事情があったと記者が続ける。

「谷垣氏が総裁時代にまとめた憲法改正草案を否定する改憲構想を口にした総理は、その禊を済ませたいという気持ちもあった。改憲に向けて党内をまとめたい総理にとって、谷垣氏には党の憲法調査会長として復帰して貰いたい。そうした可能性を探る好機でしたが、次回の日程はまだ決まっていません」

 実際、総理が面会を打診した時期は、谷垣派にとって結成以来、最大の危機が訪れてもいたのである。

「今年5月、谷垣派から佐藤勉元総務相、棚橋泰文元特命相ら4人が、新・麻生派へ合流するため離脱したことに、谷垣氏や側近らは相当の危機感を募らせている。事前に合流を促す麻生氏からの手紙を受け取った谷垣氏は“時期尚早であり、そのような話は聞いていない。直接お目にかかってから話したい”という手紙を送り返した。普段はソフトで穏やかな谷垣さんも、事故後に初めて公に出した肉声が派閥合流に反対する内容だったことから、麻生さんへの不信感は相当なものです」(同)

 ちなみに、リハビリを続ける谷垣氏は、新たなメニューにも意欲的に取り組んでいると言うのは先の関係者で、

「介護士に両脇を抱えられ、自立歩行に向けた訓練を始めています。政治家は見た目が大事。杖を使ってでも人前に立ちたいという一心で、怪我と闘っています」

 永田町に再び――その情念は烈火の如く、谷垣氏を突き動かしているのだ。

ワイド特集「その情念、烈火の如く」より

「週刊新潮」2017年6月29日号 掲載

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最終更新:7/20(木) 16:33
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