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中国が金融市場の完全自由化を拒む理由

7/6(木) 16:00配信

マネーポストWEB

 7月1日は香港返還記念日である。今年で返還から20年が経過した。この間に中国経済は目覚ましい発展を遂げている。

 1996年における中国の名目GDPは8672億ドルで世界第8位。第2位日本の18%、第1位アメリカの11%に過ぎなかった。それが20年後の2016年には13倍の11兆2182億ドルに拡大、世界第2位まで順位を上げている。この間、日本はわずか2%しか増えていない。その結果、2016年における中国の名目GDPは第3位日本の2.3倍に膨張しており、第1位アメリカの60%に達している(データはすべてグローバルノートより)。

 返還当時、香港最大の強みはレッセフェール(自由放任主義)であると言われていた。香港は、中国を背後に持つことに加え、“世界で最も自由な地域である”ことから、欧米金融機関が群がり、アジア有数の金融都市として繁栄した。

 当時、多くのエコノミストたちが、香港返還と共に香港の魅力は低下するだろうとみていた。逆に本土金融市場は国際化、自由化が進み、香港の国際金融都市としての位置付けは、やがて上海に取って代わられるだろうと予想していた。

 しかし、結果は違った。香港は、欧米金融機関にとってはアジア最重要拠点に成長し、本土金融市場は上海を含め、依然としてローカル色の強い市場に留まっている。香港は中国取引の窓口として発展し、上海は国内市場の中核として発展している。それぞれの役割分担は20年経っても大きく変わっていない。

 7月3日、香港では海外投資家が香港証券取引所を通じて中国本土の債券を売買できる「債券通」が始まった。海外投資家に対して、直接本土市場を開放するのではなく、香港証券取引所を窓口として、海外投資家の売買を明確に区別し、管理する方法で市場参入を認めている。

 こうしたシステムは株式でも同様である。外国人個人投資家の取引は、上場銘柄の一部に限られ、1日の取引量には制限(市場全体の総額)がある。香港証券取引所が注文を受け、それを上海、深セン市場に繋ぐ仕組みである。外国人の注文を区別し、管理する方法で取引を認めている。機関投資家は海外適格機関投資家制度を利用して取引することもできるが、こちらの方法でも、窮屈な規制が存在する中、当局から厳しく監督管理される。

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最終更新:7/6(木) 16:00
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