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映画『銀魂』で追求した“マンガ的リアル”とは?福田雄一監督ロングインタビュー

7/6(木) 12:00配信

otoCoto

2003年の連載開始以来、コミックは販売累計5100万部を突破。テレビアニメメシリーズは約10年に渡り放送、さらに二度の劇場アニメ化……と、多岐に渡るメディアミックスも展開し、連載14年目を迎えた今なお驚異的な人気を博し続けている『銀魂』。そして今夏、小栗旬ら豪華キャストを迎えて初の実写映画作品が公開となる。手掛けるのはドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田雄一。“リアルは不用”をモットーにかかげる福田監督は、いかにして映像化不可と思われた『銀魂』を、現出させたのか?福田流“マンガ映画”にかけるマインドをインタビューを通してここに紐解く。


──実写映画化を福田雄一監督が手がけるとの決定を聞いて、多くの『銀魂』ファンは溜飲を下げたはずです。

そうであってほしいです(笑)。どこかで「監督が福田雄一と聞いて一斉に拳をおろす銀魂勢」という記事が出たのを見たことがあるので、そこまで言われたのに、後々思っていたのと違う!と言われても、困ったものですから(笑)。僕自身はオファーをいただくまで、自分が『銀魂』を映像化するなんて考えにもなかったことでして。こうして携われたのは原作者の空知(英秋)さんの後押しのおかげ。空知さんは実写化の話以前から僕が監督した『勇者ヨシヒコ』シリーズ(11年~16年)、『アオイホノオ』(14年)をご覧頂いてくれていたそうで。プロデューサーさんが実写化にあたり僕でどうだと空知さんに提案してくれた際、この人が「監督ならできるかもしれませんね」と判を押してくれたんですよ。それは心強かった。

──空知先生は、今まで実写化を頑なに拒んでいたと伺っています。福田監督だからこそOKを出した、というのは心強いですよね。

制作発表の際には「『勇者ヨシヒコ』を見た時、嫉妬からこのオッさん死んで欲しいなと思った。邪悪な才能を抹殺するにはいい機会」というコメントまで送っていただいた。この援護射撃にファンの方は救われただろうし、何より僕も助けられ、背中を強く押してもらいました。

──荒唐無稽な世界観の構築、随所に挟まれるメタネタ、個性が立ちまくったキャラを忠実に描ききらないといけない。しかも超人気作品……と、かかる期待は相当なものだったと思います。

撮影前日はさすがに緊張しました。ただ「どうしたもんか」と、手探り状態だったということは一切ありません。制作に入るまでに改めて『銀魂』も、今回の題材であり『紅桜編』も死ぬほど勉強しましたので、画作りに関しては脳内にはハッキリとしたものが浮かんでいましたから。一つ、撮影にあたり自分に言い聞かせていたのは、『ヨシヒコ』と『アオイホノオ』を撮った時と同じスタンスで、撮影に臨むということ。『ヨシヒコ』『アオイホノオ』を観て「福田雄一なら」と、空知さんは僕を選んでくださったわけです。超大作でありますし、高いバジェットもいただいた。だからといって“ザ・映画的”なものを撮るのではなく、空知さんが面白いと思ってくださった僕のスタンスを保たないと、きっとどれだけ真剣に作ったとしても、空知さんが観て面白いと思うような作品にはならないなと思いまして。そのことだけは絶対にブレないようにと、編集作業が終わるまで意識し続けました。いつもの、良い意味での“ふざけたテンション”でいかないと、絶対に『銀魂』は成功しないなぁと。

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最終更新:7/6(木) 13:50
otoCoto