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SB柳田、”穏やかに”強烈弾連発。大記録も視野、好調の要因は…胸に秘める指揮官の言葉

7/6(木) 11:30配信

ベースボールチャンネル

 福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐外野手は、7月5日のオリックス・バファローズ戦で、今季ここまで抑え込まれていたエース・金子千尋投手から今季21号となるソロホームランを放った。最近、お立ち台でよく聞く「穏やかな心」は、ある人がアドバイスとして伝えた言葉である。

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■「穏やかな心」から生まれる強烈弾

 柳田悠岐のバットが止まらない。
 7月5日のオリックス・バファローズ戦、柳田の第21号となる特大ツーランで勝ち越しを決めたソフトバンク。楽天がロッテに逆転勝利を収めたため首位の入れ替わりはなかったが、変わらず-0.5ゲーム差で追いかけている。この日のオリックス先発・金子千尋とは相性が悪く、今季はここまで無安打に抑えられていた。そのエースから「自分のスイングで完璧にとらえた」一発だった。

 これまで4番に座っていた故障明けの内川聖一がまだ本調子とはいえずスタメンから外れるなか、柳田が打線を牽引し続けている。チームは4連勝と波に乗り、柳田自身も勝利への貢献に満足な様子だ。

 ヤフオクドームで行われる試合前の打撃練習は最後の組で行う。15時を過ぎたこの時間帯にはスタンドに観客が入り始める頃。強烈な打球が次々とスタンドに吸い込まれていくため、球場内は注意を促すスタッフの笛が鳴り響いている。この打撃練習を見るために試合開始3時間前に足を運ぶ価値は十分にあると思う。それだけ見ていて気持ちのいいスイングと驚きの打球なのだ。

 ここ最近のお立ち台では好調の要因を聞かれると、決まって「穏やかな心です」と返す柳田。これは5月頃から工藤公康監督にかけられるようになった言葉だという。執拗な内角攻めなどにイラつく場面があり、それを気遣って毎試合前に「穏やかな心で頑張りましょう」と声をかけられるようになった。その言葉を胸に秘めて打席に立ち、結果を残している。穏やかさは感じられないほどのフルスイングだが、常に「穏やかな心」を意識している。


■トリプルスリーに続き、三冠王も視野に

 交流戦では3年連続の最高勝率をマークしたソフトバンク。柳田は2年ぶり2度目のMVPに輝いた。2度の受賞は交流戦史上初めてのこと。

【交流戦成績】
18試合、打率.338、24安打(5位タイ)、7本塁打(2位)、23打点(1位)、出塁率.415、得点圏打率.565(1位タイ)

 さらに公式戦成績では、21本塁打(1位)、70打点(1位)、打率.316(3位)、長打率.617(1位)、12盗塁(4位)となっている。特に打点は2位アルフレド・デスパイネの59打点に差を付けてのダントツの数字だ。

 2015年に達成したトリプルスリー(打率.363、34本塁打、32盗塁)はもちろんのこと、最多打点となれば三冠王も見えてくる。こういったタイトルについて柳田は「チームが勝てるようにやっていくだけ」と述べるにとどまっているが、76試合を消化してこの数字なのだから期待せずにはいられない。

 これから苦しい夏場を迎えるが「食べています。健康第一!!」と笑みをこぼす。好成績を収めれば収めるほど、相手バッテリーからの攻めは厳しくなるだろう。「穏やかな心」だけで乗り切れるかはわからないが、死球によるケガは避けたいところだ。

 首位・楽天の背中はもうすぐそこまで見えている。柳田のバットで前半戦のうちにひっくり返し、V奪還、さらには三冠王を手繰り寄せてほしい。


古江美奈子

ベースボールチャンネル編集部