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今宵も東京の右半分に足が向く。──錦糸町、浅草の新潮流

7/6(木) 13:10配信

GQ JAPAN

ここ2年、いや3年ほど、食の感度が高めな人たちの足は、明らかに東に向いている。小石原はるかが、錦糸町、浅草の新潮流に着目した。

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「食べログ」では、5点満点中「4.0」以上の店を「食べ歩き経験の豊富な食べログユーザーの多くが高い評価をつけたお店。満足できる確率のとても高いお店」と定義付けている。検索してみると、東京都内には275軒の”4.0超え”の店があるが、そのうち96軒が港区、64軒が中央区にある。実に半分以上の店がこの2つの区に集中している。加えて、渋谷区には35軒。全体の7割強を、わずか3つの区でカバーしていることになる(5月1日現在)。

一方、東京の東側はどうだろう? 浅草を擁する台東区ですら5軒、江東区3軒、墨田区2軒。斯様に、食べログの世界では”西高東低”が顕著なのだ。実際には「4.0」を超えなくても素晴らしい店は星の数ほどあるし(事実、「食べログの3.0~3.3にこそ名店あり」という説を唱えている有名レビュアーもいる)、高得点をマークしやすい店の傾向というのもありますしね……というのは、また別の話。

いや、しかし。古くは谷根千(やねせん=谷中・根津・千駄木)ブームや、個性溢れる飲み屋が並んでいる様子がバルが軒を連ねるフェルミンカルベトン通りに似ていると、誰が言ったか”日本のサン・セバスチャン”こと立石の盛り上がりなどを経て、ここ2年、いや3年ほどだろうか。食の感度が高めなクラスタの関心は、明らかに東の方角へ向いている。

自分にとって、その契機となった一軒はやはり、2013年に亀戸にオープンするやいなや、人気に火がついたイタリアン「メゼババ」だろうか(ちなみにこちら、前述の「食べログ」へのレビュー投稿はご遠慮ください、という趣旨の貼り紙が店内にあり、その結果レビュー0件&点数なしをキープしている。信頼関係がなし得た奇跡か)。「亀戸ってどこ? 遠いんでしょ~」と言っていた(もちろん自分もそうだった)はずの面々が、力強さみなぎるイタリア料理食べたさに、総武線に揺られて亀戸参り。

黄色い電車に乗り慣れてきたのでお隣の錦糸町に足を延ばしてみれば、こちら新旧入り乱れての”各国料理のデパート”状態。かつて錦糸町は”飲む・打つ・買う”の三拍子が揃う街として知られ、夜が深まれば少々スリリングな一面もあるとは聞くが、そちらは殿方に任せて食欲のみにフォーカスする。

タイ料理の老舗「ゲウチャイ」や食材店を併設する「タイランド」もあれば、夜8時から朝4時までという営業時間で日替わりのカレー定食のみを供するバングラデシュ料理店「アジアカレーハウス」や南インド料理の巨匠と謳われるシェフが腕を振るう「ヴェヌス サウス インディアン ダイニング」、現地で評判の高い台湾の”駅弁”を模した「台湾鉄道弁当」が食べられる(テイクアウトも可能)「劉の店」、中国回教徒向けの羊を中心とした中華料理を提供する「東京穆斯林(ムスリム)飯店」……と、アジア諸国の料理はなんでもござれ。年季が入ってなんともいい佇まいの大衆酒場、酒も肴も”発酵”をテーマに揃える酒亭なども点在し、渋谷からなら半蔵門線に乗ってわずか36分でたどり着けるワンダーランドだ。

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最終更新:7/6(木) 13:10
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