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このパーフェクトな「発明」を見よ!──ヴァレンティノ 2018年春夏コレクション

7/6(木) 16:10配信

GQ JAPAN

ナイロンパーカにドレスシャツ、トラックスーツにビーズ刺繍!

ヴァレンティノ発の、そして初の「スポーツ」には、本当に驚かされた。うっわー、このパーカを着なきゃ! ウッウォー、このジャージがほしい! えっえー、こんなチノ待っていた!……アイディア満載のコレクションなのだ。

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1ルックめ、黒と白のカラーブロックのパーカ。肘下からちらっとのぞくグリーンと、フード裏のオレンジが効いている。2ルックめ、グレーのパーカにはさみこまれた鮮やかブルーとピンクが、美しい。と、カラーリングにまず目を引かれるが、そのインナ―に、とても驚く。なんと、いずれも白いドレスシャツ。

襟下と前立てに、同じコットンの、帯状の布がボタン留めされている。その、どちらかといえば端正さを崩す、思いがけない装飾があるためか、ドレスシャツなのに、どこかストリートの匂いになって、ナイロンパーカを盛り上げる。しかも、「帯」を外せば普通のシャツになる。

整理しよう。パーカの色使いでひとひねり。インナーをTシャツやニットではなく、ドレスシャツにしたことで、ひとひねり。にもかかわらず、ちょっとした装飾で、ストリートの味が出ていることにひとひねり。

そして、首にはベルトにもなる、エスニックな刺繍のロングタイが巻かれ、その端が、ちらっとシャツの裾から覗き、チノパンは定番型かと思いきや、裾のペグトップ(先細り)で意表を突き、さらに、足元は、ソックスとモカシンとスニーカーがドッキングした(!)シューズで着地だ! どれも、奇抜ではなく、すぐにでも身につけたい、10点満点パーフェクト!!!

通常ラグジュアリーブランドの場合、「欲しい!」という気持ちの大部分を、ネームへの憧れ、が占めることが多い。固有のデザインを気に入ったというより、〇〇の△△だから、かっこいい、と思う感覚。

しかし、このヴァレンティノのコレクションの場合は、たとえネームタグがなくても、欲しい。とにかくデザインそのものが特別。そのことは、限られたファッション通でなくとも、一目みれば、感じることだろう(もちろんネームも欲しいけど!)。

来年の春は、きっとあれだな、トラックスーツにビーズ刺繍の測章、は無理でも、真似してプリントの装飾とかが、ストリートに絶対増えるな。Tシャツの代わりにドレスシャツ、というのも常識、になっちゃったりして。

正統的エレガンスを知り尽くし、なおかつ、ミリタリ―やスタッズ、エスニックなストラップと、カジュアルに数々の「発明」をのこしてきた男、ピエールパオロ・ピッチョーリ。彼は、ついに、頂点を極めた。

Chiyumi Hioki

最終更新:7/6(木) 16:10
GQ JAPAN

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