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光のスペシャリスト「ウシオ電機」隠れた実力

7/6(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 強力な光で映し出された映像が、壁面を縦横無尽に走り回る。建物が動き、破壊され、めくれるなど、実際にはありえない迫力の映像が目の前で展開される。まさに光の芸術だ。

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 近年、屋外エンターテインメントで人気の「プロジェクションマッピング」。コンピュータで作成した映像を空間や建物に投影するパフォーマンスだ。東京ディズニーランドはシンデレラ城をスクリーンに見立てた「ワンス・アポン・ア・タイム」を展開。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」のショーで使用するなど、テーマパークのメインイベントとして定着している。

 見た目も華やかなプロジェクションマッピングだが、最新の映像表現を可能にしているのは、積み重ねられた確かな技術だ。その技術を有する世界的な企業の一つに、ウシオ電機がある。

■どれだけ遠くに、きれいな映像を飛ばせるか

 ウシオは1964年に照明用ランプ事業を祖業として創業。ハロゲンランプを日本で初めて開発した企業だ。以来、店舗用の照明や産業用のランプなど、光を扱う事業を数多く展開してきた。現在では照明だけでなく、製造業や医療など、多岐にわたる領域でウシオの“光”が用いられている。

 プロジェクションマッピング向けプロジェクターを手掛けているのは、100%子会社の米クリスティ・デジタル・システムズ。ウシオが1992年に買収した会社だ。2016年の世界におけるシェアは33.8%を占め、五輪などを手掛けたパナソニックとの2強体制になっている(調査会社シード・プランニング調べ)。

 プロジェクションマッピングは大きな建造物などに光を照射するため、プロジェクターも距離を取って設置することが多い。つまり、ポイントとなるのは「どれだけ遠くにきれいな映像を飛ばせるか」ということだ。

 映像を遠くに飛ばすには、明るい光が必要だ。明るい光を出すことができれば明暗もはっきりと表現され、鮮明な映像を作り出すことができる。

 クリスティが取り扱うプロジェクターは、100メートル以上離れた場所から映像を投影できる。プロジェクターが発する光は2万~3万5000ルーメン(ルーメンは明るさを示す単位)。家庭で一般的に用いられる電球が450ルーメン程度なので、44~78倍ほどの明るさだ。

 明るい光自体は電力をつぎ込めば生み出すことができる。だが、発する熱も高くなるため、そのままでは周りのガラスやケーブルなどが耐えられない。同時に機械を効率的に冷却するための工夫が必要となる。

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