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新「トランプ大統領令」観測で期待の医薬・バイオ銘柄はコレ! 

7/6(木) 16:01配信

会社四季報オンライン

 トランプ政権の「大統領令」が再び注目を集めている。新たな大統領令がすでに準備段階に入ったとの報道もあり、米国の株式マーケットで注目度が高まった。大統領令は1~2カ月以内にも発表されるという説が有力である。

 新たな大統領令についての詳細は不明だ。しかし、これまでの医薬業界に対する厳しい姿勢とは異なり、医薬品や医療機器分野の規制緩和や、米国企業の競争力向上といった点に言及する内容になるもようだ。

■ 日本の輸出額トップは米国

 米国の医薬品、医療産業はすでに世界市場で高い競争力を誇る。わが国の2015年の医薬品の国別輸出額のトップは米国だが輸出額は1500億円程度にとどまる。一方、米国からわが国への輸入額は4450億円にも上り、輸入は輸出の3倍近い水準。また、わが国は医療機器分野でも米国に対して圧倒的な輸入超過で、輸入額は輸出額の2倍強の水準である。

 米国の医薬品や医療機器産業は、航空産業や軍事産業などにも匹敵する競争力を誇り、外貨を稼ぎ出すドル箱産業だ。このため、米国政府が同産業を強化することは自国の国益に直結する。

 医療産業のへの米国政府のテコ入れは、保護主義的な輸入関税率引き上げやメキシコ国境の壁建設といった政策に比べると、極めて現実的で効果的だ。大統領がその事実に気が付いたか、あるいはこれまでの選挙目的のプロパガンダのパフォーマンスから現実路線に舵を切ったのかはわからない。しかし、米国の同産業にとってはプラスとなるだろう。

 大統領令の中味は、新薬の認可迅速化や米国企業の海外展開のサポートといった内容となりそうだ。トランプ大統領は大統領選挙中にはクリントン候補が掲げていた高額医薬品の価格引き下げ施策に同調していたが、これも大統領令で変更する見込み。そうなれば、バイオ関連企業などへのメリットは大きい。

 日経平均株価は2万円を突破してからのもたつきが目立つ。他方、NYダウは2万ドル突破した後も勢いが衰えず、一気に2万2000ドルを伺う展開である。ニューヨーク市場の株高は医薬品、医療機器セクターがけん引役で、原油価格の低迷などによるエネルギー関連企業群の失速を、医療、ヘルスケア関連セクターが吸収するという構図となっている。

 米国S&P500全10業種のセクター別騰落率(6月第3週まで)では、上昇率トップがヘルスケアの6.1%である。また、全24種セクター別の騰落率では、トップが医薬品・バイオテクノロジー(上昇率:7.1%)、第2位がヘルスケア機器・サービス(同:4.8%)となっている。まさに、大統領令を先取りしたマーケット展開である。

■ 日本の医薬品、バイオ関連企業への波及にも期待

 大統領令がわが国の医療関連分野にとってストレートにプラスに働くかといえば、答えはNOだ。プラスとマイナス要因が同居するからである。トランプ政権の政策はあくまで、”アメリカ・ファースト”。同大統領は米国企業を優先するという基本的な考え方を変更していない。

 このため、大統領令は日本の医薬品、医療機器メーカーにとっては、諸刃の剣となるリスクを持つ。米国の医療市場の活性化という側面からはプラス効果だが、他方で日本企業はネガティブな圧力を受けるリスクも残る。こう考えると単独で米国市場の開拓を行うのでなく、海外の大手企業に技術導出するなど共同で事業展開を進める企業群のほうが有利なのではないか。具体的には、日本新薬(4516)、小野薬品工業(4528)、塩野義製薬(4507)、田辺三菱製薬(4508)などの企業群である。

 小野薬品工業は抗がん剤「オプジーボ」の海外販売を米ブリストル・マイヤーズスクイブに委ねる。「オプジーボ」が海外市場で拡大すれば、同社の収益メリットは大きい。

 また、バイオベンチャーは米国の大手製薬企業と強い提携関係にある。具体的には、そーせいグループ(4565)やペプチドリーム(4587)などの企業群である。そーせいグループは米ファイザー社などと戦略的な提携関係にある。ペプチドリームも米ブリストル・マイヤーズスクイブ、米メルク社などと開発面で提携する。加えて、直近で米国の公的機関であるカリフォルニア州再生医療機構から多額補助金を獲得したサンバイオ(4592)などの企業も、追い風が強まる期待がある。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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