ここから本文です

窪塚洋介「やっと出会えた人生の攻略本」

7/6(木) 18:00配信

ダ・ヴィンチニュース

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、ハリウッド映画『沈黙―サイレンス―』後の初出演にして主演映画『アリーキャット』の公開を控えた窪塚洋介さん。幼いころから人生の攻略本が欲しかった、という彼が出会った「集大成」の一冊とは?

「子供のころ、どうやったら早く幸せになれるだろう、そのための攻略本を探していたんですよね。個人の生き方を示す啓発本はいろいろあるけど、もっと世界全体の姿を俯瞰的に示してくれるような本はないのかと」
 薦めてくれた『黎明』(葦原瑞穂)は、精神世界に深く潜りつつも、物理学や歴史など、さまざまな角度から人間の本質を解き明かそうとする指南書だ。
「友達から薦められて買ってはいたんですけど、なかなか読めていなくて。昨年末、ようやく『今がタイミングかな』と開いてみたら、これまで生きてきたなかで僕が辿りついた答えのすべてが理路整然と書かれていて、一気に読み進めてしまった。ここ数年で一番衝撃を食らいました。といっても、何か新しい発見があったわけではなくて。やっぱり自分の感じてきたことは間違いじゃなかった、自分らしく生きることは何より大切で、そのために生まれてきたんだって改めて思えた。そこに辿り着くためのアプローチを、様々な角度から教えてくれている。できることなら、みんなとこの想いをシェアしたいんだけど……どうもいきなりは馴染みにくい本みたいで。深淵に触れすぎて拒絶反応を示されるとつらいから、まずは『あの世に聞いた、この世の仕組み』(雲黒斎)という本を読んでみてください」
 タイミングを感じられたのは、今が節目の時だからかもしれないと窪塚さんは言う。今年1月に公開された『沈黙―サイレンス―』への出演は、窪塚さんにとって最大の転機となった。
「2006年からレゲエをやってる卍LINEの名義を、今年、変えるんです。『黎明』に出会って、『沈黙』が公開されて、新しい子供も生まれ、新しい個人事務所で立ち回る今年は、次のステージに向かうための年のような気がする。『アリーキャット』で(降谷)建志くんと出会えたのもそう。一緒に演じていて、その才能も心意気も尊敬できるものだったし、彼のエネルギーが現場の空気をつくりだしていた。この出会いのおかげで、音楽でもつながることができたんですよ。『Soul Ship』という曲を配信しているんですが、まさに『アリーキャット』でバディだったマル(窪塚さん)とリリィ(降谷さん)の魂をつなぐような作品で、この映画におけるもうひとつのテーマソングだと思っています」
 元ボクシングチャンピオンで警備員のマル。どこか飄々としているけれど、実は熱い自動車整備工のリリィ。『アリーキャット』は、偶然出会った二人が、ストーカーに追われるシングルマザーを守るために命を懸ける、クライムサスペンスだ。
「マルは、ムカつくくらいもったいない生き方をしている奴なんですよ。僕は、今を楽しむために一歩を踏み出すのが何より大事だと思っているから、彼のことは馬鹿だなあと思いながら見ていたんです。でも、そのおかげなのか、これまでとは違うアプローチで役作りができた気がします。僕はどちらかというと、自分のキャラクターにないものを盛って、その先で役になっていくというスタイルだったんですが、今回は、自分の中にあるものから削ぎ落していった。アカデミー賞を受賞した当時によく使われていた“引き算の芝居”ってこういうことか、ってわかりました。一方で、自分の内側で熱く強く抱いた想いを突き詰めていけば眼差しにちゃんと現れる、っていうのも体感としてあって。これまで僕に芝居を教えてくれた、たくさんの素晴らしい人たちの教えが僕の中に生きている。節目を迎えて、次のステージに移ろうとしている今は、そういう自分の内側にあるものをより研ぎ澄ませていきたいと思っています」
(取材・文=立花もも 写真=山口宏之)

1/2ページ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ダ・ヴィンチ

株式会社KADOKAWA

2017年11月号
10月6日発売

特別定価​690円(税込)

【表紙】乃木坂46
祝!2期スタート 『おそ松さん』特集&だからアニメはやめられない!
「6つ子」描き下ろしトビライラスト
『おそ松さん』豪華キャストによる、特別鼎談!!

Yahoo!ニュースからのお知らせ