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ボヤキも意図があってのこと。組織に役立つノムさんの言葉。 「叱っていい人」と「そうでない人」の差は?

7/6(木) 6:30配信

ダ・ヴィンチニュース

 日本で国民的スポーツとして人気を博してきた野球。「トップバッターは誰だ?」「代打を頼む」「うちの四番です」――。思えば「十八番」など多くの歌舞伎用語が私たちの日常に浸透しているように、長年親しまれてきた野球も、その用語が一般社会でも使われている。

 野球には、スポーツを超えた“組織論”や“リーダー哲学”といった、ビジネスの世界に通じるメソッドが詰まっている。繰り広げられる試合は、“ドラマ”に満ちているだけでなく、時に見る者の“人生”に重なり、チームプレーはあらゆる組織に通じる。

 エースがマウンドで孤軍奮闘していたかと思えば、仲間が必死に食らいついてピンチを救い、局面を打開する。指揮官はチームのため、時に冷淡に采配をふるいつつも、一人ひとりの個性を把握し、育成に心を砕く。組織のため、それぞれのため。

 こうした組織論やリーダー哲学について語らせたら、野球界でノムさんこと野球評論家の野村克也氏の右に出る者はいない。その野村氏が『一流のリーダーになる 野村の言葉』(新星出版社)を上梓した。これまで数々の名言を生んできた野村氏による、組織論とリーダー哲学とは。新人、中堅、ベテランをどう扱うのか。リーダーはどうあるべきか。

含蓄に富んだ野村氏の言葉は、野球や組織という枠組みを越え、どんな人にもずしりと響く。

■「叱る」と「怒る」では大違い。人間学に基づき、成長を促す

 野村氏は同書で繰り返す。「人を育てるには愛情が不可欠」。それぞれが新人か中堅かベテランか、どんな性格なのか、あらゆる側面から考慮を重ね、指導しなければならない。緻密で懐が深い元名捕手は、「叱る」と「怒る」の違いをこう説明する。

 「叱る」ことは愛情であるが、「怒る」は愛情ではなく、感情を爆発させているに過ぎないのだ。

 上に立つ者は、結果だけを見て叱ってはいけない。なぜそうなったのか。根拠があるなら責めるのではなく、その根拠が正しい判断だったかを話し合えばいい。叱るのは、やるべきことをやらなかった時で、その場合も理路整然と叱ることが必要と説く。

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