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飲み代のツケ、まだ請求可能? 「原則5年」改正民法

7/7(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 Case:13 私が経営する居酒屋に大学時代の親友が時折、立ち寄ってくれていました。当初はその都度、会計してもらいましたが、途中からはある程度たまったところでツケで請求していました。ところが支払いが滞るようになり、そればかりか私に借金を申し出てきました。よほどの事情があるのだろうと思い、50万円を貸しました。しかし親友はその後行方をくらまし、約20万円の飲食代のツケも、貸した金50万円も返ってこないまま数年がたちました。いくら親友とはいえ、金のけじめはきちんとつけてもらいたいと思い、訴訟まで考え始めていますが、「時効ではないか」と言う人もいます。このたび民法が改正されたと聞きましたが、こうした案件に有利な改正でしょうか。

■債権、一定期間で消滅

 債権は一定の期間が過ぎてしまうと消滅します。これを債権の「消滅時効」と呼びます。現行の民法では、債権の消滅時効の期間は原則、10年と規定されています。貸金などの債権は、この原則どおり消滅時効の期間は10年ですが、例外としてこれより短い期間の時効が職業別にこと細かく定められています。例えば、小売業の売掛金、我々弁護士の報酬請求権はそれぞれ2年ですが、飲食店の代金請求権は1年です。我々のような専門家ですら六法全書を逐一見直さないと「あれ? この場合は何年だっけ?」とわからなくなることがあります。なお、会社などの取引で生じる商事債権の消滅時効は、民法ではなく商法で5年と定められています。
 つまり相談のケースでは、貸金は10年間、飲み代のツケは1年間で時効により消滅となります(居酒屋が会社組織で、会社からの貸金だった場合は商法が適用されて5年間)。このように債権の性質で時効期間が異なるのは非常にややこしく、わかりづらいので、改正民法では期間を統一しました。
 では、10年、1年といったような時効期間はどこを起点にするのでしょうか。現行の民法では、権利を行使することができるときが時効期日の起算点になります。貸金や売掛金に期日が定められている場合には、その返済期日や支払期日になれば債権者は支払いを求めることができますから、時効はそこから進行します。友人間のお金の貸し借りやツケの場合、返済や支払いの期限を決めていないことも少なくありません。その場合にはお金を貸した日、あるいは飲食をした日が起算日になります。

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最終更新:7/7(金) 7:47
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