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骨粗しょう症薬、使用に留意 副作用で顎の骨壊死

7/7(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 骨粗しょう症やがんの骨転移の治療に使う「ビスホスホネート製剤」という薬の副作用によって、顎の骨が壊死(えし)する患者が増えている。発症はまれだが、効き目の高い薬のため服用する人は多い。顎骨の壊死に抜本的な治療法はなく、虫歯や歯周病の治療などの予防が重要になる。専門家は注意を呼びかけており、関連学会は予防策や対応策を公表している。
 東京都に住む65歳の女性は数年前からかかりつけの歯科医から歯周病の症状を指摘されていた。痛みが強くなったので抜歯したが、いっこうに傷口は治らない。顎の骨が口の中に露出し、膿(うみ)も出る状態が続いた。

■高齢女性まれに

 歯科医の紹介で大学病院の口腔(こうくう)外科を受診すると、顎骨が壊死していると説明された。細菌の感染を抑える抗生物質を飲み、定期的に骨の壊死した部分を洗い流す治療を受けたが、数カ月たっても良くならない。口腔外科医からはこのままでは顎骨を切除する手術が必要になるかもしれないと告げられた。
 じつは女性は別に整形外科を受診しており、骨粗しょう症の薬としてビスホスホネート製剤を処方され、4年前から飲み続けていた。大学病院の口腔外科医は女性が飲んでいる薬を確認し、副作用である「ビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ)」を発症したと判断した。
 顎骨壊死は下顎や上顎の骨が細菌に感染して腐ってしまう病気だ。乳がんの骨転移や骨粗しょう症の薬としてビスホスホネート製剤を飲む高齢女性などで、まれにだが発症することがある。
 壊死が起きると口の中で骨が露出し、強い痛みで食事が難しくなる。歯が抜けたり、顎の皮膚に穴が開いて骨が露出したりすることもある。放置して悪化し、脳や肺を覆う胸膜が細菌に感染する「脳膿瘍(のうよう)」や「膿胸(のうきょう)」による死亡例もあるという。
 骨は通常、古い骨を分解・吸収する「破骨細胞」と、新しい骨を作る「骨芽細胞」の働きのバランスによって代謝が保たれている。ビスホスホネート製剤は破骨細胞の働きだけを抑え、骨を丈夫にする薬だ。第1世代から第2世代、第3世代と薬の改良が進み、乳がんや肺がん、前立腺がんなどの骨転移、骨がもろくなる骨粗しょう症の治療や予防に重宝されている。
 ただ、薬の効き目が高まり、服用する患者が増えた半面、副作用として顎骨の壊死の発症も多くなってきた。日本口腔外科学会がまとめた全国調査では、2006~08年に計263例が報告されたのに対し、11~13年は計4797例と急増した。11~13年の調査では、ビスホスホネート製剤を服用するようになった原因の病気はがんが47%、骨粗しょう症が45%とほぼ同じ比率だった。
 調査に携わった東京歯科大学の柴原孝彦教授は「医師と歯科医師の双方が注意し、連携すれば発症は防げるはずだ」と話す。先に対策が進んだ米国では発症が減少傾向に転じたという。

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最終更新:7/7(金) 7:47
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