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東芝メモリ売却も経産官僚が主導 “官製倒産”もある?

7/7(金) 7:00配信

文春オンライン

「審議に入る前にお詫びを申し上げます。本来なら年度の決算を報告すべきなのに、できていません」

 6月28日に行われた東芝の株主総会は、綱川智社長の謝罪で幕を開けた。米国の原発子会社ウェスチングハウス(WH)の巨額損失をめぐり、監査法人の承認が得られなかったためだ。

 WH買収をめぐっては、拙著『東芝 原子力敗戦』において、原発事業をアベノミクスの中心に据えたい経産省が東芝を引っ張る形で推進した経緯を克明に記したが、総会ではもうひとつの“経産省案件”が俎上に載せられた。

 半導体子会社の東芝メモリの売却である。

 6月21日、東芝は産業革新機構、米投資ファンド、韓国半導体大手SKハイニックスなどの「日米韓連合」を優先交渉先に決めた。

「交渉先は東芝が決めたことになっているが、経産省の意向に従った」(東芝幹部)

 そのことを示すエピソードがある。都内某所で開かれた入札のための秘密会議。東芝の役員を引き連れて現れたのは、経産省商務情報政策局に所属する課長クラスだったという。米投資ファンドの幹部は呆れ顔でこう語った。

「日本では、民間企業のディールに役人が出てくるのか」

 入札では、台湾の鴻海(ホンハイ)などが提示した金額の方が高かったが、“技術流出”を嫌う経産省の「指導」で日米韓連合に落ち着いた。鴻海会長の郭台銘(テリー・ゴウ)は22日の記者会見で、「安藤(久佳・経産省商務情報政策局長)に妨害された」と名指しで批判した。

「安藤氏は産業革新機構を使って、シャープ再建を鴻海と争った経緯がある。今回は『液晶のシャープより半導体の東芝の方が、日本にとってはるかに重要』と力を入れていた」(経産省関係者)

 だが、技術流出を嫌ったはずが、韓国企業が入っているのは、本末転倒の感がある。

「東芝はSKは出資ではなく、融資での参加なので技術流出しないと説明していますが、技術が手に入らないのに4000億円もの金を出したら、SKの経営者が株主に訴えられる。売却交渉は難航中です」(業界関係者)

 18年3月までに東芝メモリを売却できなければ債務超過は解消せず、東芝の「官製倒産」が現実味を帯びる。

大西 康之

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