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★運賃値上げをやっかむ同業者

7/7(金) 8:10配信

中央公論

「同情的な世論を作り、うまくやった」。同業他社からそうやっかまれているのは、宅配最大手のヤマト運輸だ。十月に二七年ぶりとなる基本運賃の値上げに踏み切る。
 しかも、主導したヤマトホールディングス社長山内雅喜の社内での求心力は高まっている。サービスを優先した結果、宅配現場の疲弊は限界に達している。社員の労働条件を改善するため改革を断行した姿勢が評価されているというわけだ。
 山内は長野県出身。大学時代、実家の母から身の回り品や菓子などの食品がぎっしり詰まった宅配便を受け取り、人の思いも届けることに感動して入社したとの逸話がある。
 ただ、ヤマト運輸は、宅配便の生みの親である元社長の故小倉昌男が掲げた「サービスが先、利益は後」という経営理念で知られる。他社からは「『小倉イズム』に逆行しているのではないか」という批判の声も聞かれる。記者会見では個人客の負担増について着座したまま頭を下げ、「不遜だ」との指摘も。
 もっとも山内にとっての最大の試金石は、大口顧客のアマゾンジャパンとの値上げ交渉だ。評価が本当に固まるのは、その帰趨が見えてからだろう。(敬称略)
(了)

最終更新:7/7(金) 8:10
中央公論

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