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Jリーグからのベルギー派遣コーチに聞く「欧州の育成は何が違うか」

7/7(金) 7:50配信

webスポルティーバ

 今や欧州の各リーグでプレーする日本人選手は決して珍しくなくなった。マンチェスター・ユナイテッドやミラン、インテルといった名門クラブに在籍した選手もいるし、逆に日本ではプロになれず、それでもプレーすることを目指して異国に渡り、アマチュアレベルからチャレンジする選手も多くいる。この夏、日本代表に選ばれた加藤恒平(ベロエ・スタラ・ザゴラ/ブルガリア)も、日本でプロとしてプレーした期間は1年にも満たないが、海外で経験を積むことによって大きな成長を遂げた。

【写真】育成型クラブのはずが苦境にあえぐ……

 ひるがえって、指導者のほうはどうか。話は選手ほど簡単ではない。海外で本格的に指導実績を積むことで得られるものは多いだろうが、結果が出るまでに時間がかかりすぎる。かといって短期の研修では得られるものが限られる難しさがある。

 そこで2017年、日本サッカー協会とJリーグによる育成年代の強化を目的とした協働プログラム(JJP)は、国外への指導者の派遣を始めた。派遣期間は1年間。現役の指導者たちにとっては比較的長い期間、海外のクラブで研修を積むことができる。

 その第1弾としてRSCアンデルレヒト(ベルギー)に派遣されたのが、横浜F・マリノスのジュニアユースを20年間にわたり指導してきた坪倉進弥氏だ。自身もマリノスジュニアユース出身で、ユースを経て法政大学に進学。中退後に古巣での指導を始めた、マリノスの生え抜きである。これまで栗原勇蔵、石川直宏、田中隼磨、齊藤学、小野裕二ら、多くのプロ選手、日本代表選手も輩出してきた実績ある指導者が、現地で何にトライし、何を感じているのか。ちょうど研修期間の前半が終了する直前に話を聞いた。

* * *

――まず、坪倉さんがこのプログラムの第1弾として派遣されることになった理由を教えていただけますか?

「僕は若いころからマリノスのジュニアユースで20年間、指導をしてきました。だから現状の日本の育成年代のいいことだけでなく課題や、ここまでの流れ、積み重ねを含めて理解しているだろう、と。そういう物差しを持っていることを前提に、アンデルレヒトでいろいろ学んだ上で、僕自身の日本での経験とミックスして、日本にどう還元していくかに期待している、と言われました。例えば現役を終えたばかりの若い指導者が、フィーリングとしてのよさを感じて持ち帰るのではなく、日本で長くやってきた分、現状を踏まえて海外の状況を捉えられる。もちろん僕はパーフェクトじゃないし、知らないことはいっぱいありますが、全国大会やJリーグ選抜U-15の監督(2014年にブラジル遠征)などで多くの選手を見てきた経験があるので、15歳前後の現状を把握しているから、ということも言われました」

――日本に戻ってから、それを実践できるというのも大きいのですね。

「そうですね。JJPの担当者からは、『アンデルレヒトで学んだことをJリーグ全体に伝え、マリノスでも活用してください。いい方向に変えられるようにあなたが中心になってやってください』と言われました。マリノスも前向きに理解し、賛同して送り出してくれました。学んだことでいいなと思うことがあったら、それについて指導者対象の講習会を開くだけではなくて、実行する場がある。育成の一指導者として、ユースダイレクターなどクラブ全体と連携をとってトライする場が僕にはあります。マリノスで実行に移して結果が出たら、他のクラブも参考にしたり、工夫したりするだろう。そういうところにも期待をされているようです」

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