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希少な「白いヘラジカ」を発見、しかも双子!

7/7(金) 15:53配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

ノルウェーの森で撮影、アルビノ(先天性白皮症)である可能性も

 北半球に多数生息しているヘラジカだが、文字通り異色の双子が見つかった。ノルウェーで動画に収められたのは、森から出てきて母親と共に様子をうかがう、2頭の真っ白なヘラジカだ。

【動画】双子の「白いヘラジカ」にもっと接近してみた

 シカなどを専門とする米メイン州の生物学者リー・カンター氏によると、大きさや動きから考えて、この子ジカは生後1カ月に満たないようだという。ヘラジカの子どもはたいてい5月に生まれるが、この2頭もその例にもれず5月中旬に生まれたようだ。双子のヘラジカも珍しくはない。双子の場合、やや小さめに生まれる。

 カンター氏は、断定はできないものの、2頭の子ジカはアルビノ(先天性白皮症)ではないかと考えている。「もしそうなら、たいへん珍しいことです」

 また、カンター氏は、白地に小さな茶色の斑点があるパイボールドと呼ばれる種類かもしれないとも述べている。パイボールドも珍しいが、アルビノとは違って目はピンク色や赤色ではない。

 米北西部で数千頭の野生のヘラジカを見てきたカンター氏だが、白いヘラジカは実際に見たことがないという。

「研究者の間ではヘラジカの写真が回覧されており、1年か2年に一度ほど、白いヘラジカの写真がまわってきます。しかし、よくあることではありません」

 白いヘラジカはカナダでも目撃されたことがある。カナダの一部では、アルビノやパイボールドのヘラジカは保護の対象になっており、体の大部分が白いヘラジカを狩猟の対象とすることは法律で禁じられている。また、北米のヘラジカの6分の1近くが生息する米アラスカ州でも、白いヘラジカが目撃されている。

 通常の茶色い毛皮を持たないヘラジカは、野生環境で不利益を被らないのだろうか。この点はまだよくわかっていない。カンター氏は、森の中では暗い色の毛皮のほうが目立ちにくいが、白い毛皮の子どもと一緒に大人のヘラジカも目撃されていることから、母親は白い子どもにとりわけ気を配っているとも考えられる。

 ヘラジカの母親は、生まれたばかりの子どもを守ろうという意識が高い。カンター氏によれば、子どもが最初の1カ月を生き延びられるかどうかは、母親が周囲から子どもを守れるか、すなわち、いかにして子どもをオオカミやクマなどの捕食者に近づけないかにかかっている。

文=Casey Smith/訳=鈴木和博

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