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杉田祐一、惜敗にも充実の夏。次なる目標は「ランキング30位前後」

7/7(金) 18:01配信

webスポルティーバ

「ふーっ」と大きく吐き出した息に、3時間32分の熱戦による疲労が、敗戦の悔いが、そしてある種の充足感が、深く込められているようだった。

【写真】フェデラーにも祝福された杉田祐一

「第4セットの最初のゲームで、簡単なリターンミスが続いて......。相手もちょっと疲れていたので、あそこで引き離したかったんですが、うまくできずに.........やられちゃいました」

 わずか5日前に酷暑のトルコでATPツアー初タイトルを掴み取り、ウインブルドンでも初勝利を手にした杉田祐一の快進撃は、2回戦で1-6、7-5、6-4、6-7、2-6の死闘の末に、ついに終止符が打たれる。その相手はくしくも、トルコ大会の決勝でタイトルを争った相手であった。

 杉田の疲労の色は、試合開始からほどなくして、誰の目にも明らかになる。

 身体の抑えが効かないのか、決めにいくショットがことごとく、大きくラインを割っていく。対するアドリアン・マナリノ(フランス)は、先の対戦時と同様に自ら攻めるのではなく、巧みにボールをすくい上げ、勢いを殺したボールを左右に打ち分けながら、杉田のミスを誘発した。

「ラリーしながら、自分の身体がうまくフィットしなくて」
「アドレナリンが出てこなかった」

 心身が噛み合わぬ杉田のもどかしさは、第1セットを落とした後も拭い切れない。第2セットも先にブレークを許し、敗色濃厚かに思われた。

 しかし、ここで杉田は闘志を掻き立て、気迫で身体を突き動かし、一打ごとに叫び声を上げながらフォアの強打を叩き込む。本人曰く「リミッターを外した攻め」で第2セットを逆転すると、第3セットも序盤でブレークして奪取。一方、苛立つマナリノは主審への度重なる暴言のかどで、第4セットはポイントペナルティを取られるスタートとなった。

 のちに杉田が悔やんだのが、このゲームである。ブレークのチャンスを3度掴むが、相手のサーブを捕らえきれない。すると、このころからマナリノはそれまで以上にコート後方へと下がり、決まったかに思われるボールを幾度も地面ギリギリですくい上げて、長いラリー戦へと持ち込み始めた。

「第2、第3セットでかなり消耗して......」

 第4セット中盤からは、杉田の両足を痙攣(けいれん)が襲いだす。もつれ込んだファイナルセットでは、もはや最後までボールを追い切るエネルギーは、173cmの小柄な身体には残っていなかった。

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