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連勝は途絶えるも3位を獲得、ポイントリーダーを守った室屋選手【レッドブル・エアレース2017】

7/7(金) 18:33配信

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レッドブル・エアレースの第4戦が7/1,2にハンガリーの首都ブダペストで開催されました。

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レース会場はブダペストの中心を流れるドナウ川に設定され、旧ブダ市街とペスト市街に掛かるセニーチェ鎖橋の下をくぐり、コースに進入します。

会場が河川上空のため、千葉より更に細長いエリアにコースはレイアウトされます。また、ドナウ川はヨーロッパの国際航路であるため、競技が終了するとパイロンが設置される台船は毎日河岸に移動する必要があるだけでなく時間制限も厳しいため、昨年はラウンド・オブ・8が終了した時点で競技が終了してしまいました。



金曜日に設定された練習(プラクティス)、強風でプラクティスが1回となり、前戦千葉に続いて飛行回数が減りました。トップタイムはマルティン・ソンカ選手。以下、マティアス・ドルダラー、室屋義秀、マット・ホール、ペトル・コプシュテインと、前半戦好調な選手が続きました。

予選日は好天に恵まれましたが、予選で波乱がありました。昨年のチャンピオン、ドルダラー選手がオーバーGにより予選タイムを記録できず、13位に沈みました。今シーズン、まだ優勝はありませんが全レースでファイナル4に進出、前戦も4位と、着実にポイントを稼いでいるドルダラー選手。昨年、千葉戦以外は表彰台獲得という強さがやや影をひそめた感じです。

一方、ドルダラー選手が抜けた上位は、千葉でトップを取ったピート・マクロード選手が今回もトップタイムを獲得。



2位は室屋選手、3位にはコプシュテイン選手、4位はソンカ選手と千葉戦の表彰台を獲得した3選手が千葉戦の順位と好調さを保っています。5位にはホール選手が入り、千葉で新機体を「99%把握した」と答えてくれた通りの強さをこちらも維持しています。

ほかには、今回より新機体を投入したフランソワ・ル・ボット選手が8位に入り、新機体との相性の良さを見せています。また、ファン・ベラルデ選手がドルダラー選手同様オーバーGによるDNFで最下位に沈みました。

今回、予選でオーバーGが多発して、タイムアップを果たせない選手が目立つと同時に、コースの飛行回数が少ない中でも全機3秒差以内に位置しており、接戦が期待されます。

この結果により、ラウンド・オブ・14で室屋選手は好敵手ドルダラー選手と、予選10位だったミカ・ブラジョー選手は開幕戦に続いてマット・ホール選手との対戦となりました。以下、ラウンド・オブ・14の対戦は次の通りとなりました。

Heat1 ブラジョーvsホール
Heat2 ポドルンシェクvsソンカ
Heat3 イワノフvsグーリアン
Heat4 ボルトンvsコプシュテイン
Heat5 ル・ボットvsチャンブリス
Heat6 ドルダラーvs室屋
Heay7 ベラルデvsマクロード

決勝日は予選日に続き晴天でしたが、引き続き風は強いようです。

[ラウンド・オブ・14]

Heat1 ブラジョーvsホール
先攻ブラジョー選手が予選タイムを約0.4秒上回る1:01.970を刻みます。ホール選手は1Lap目のコース奥ハイGターンからスラロームで遅れ、挽回できずに1:02.336。ブラジョー選手は初めてレース1勝目を揚げ、ラウンド・オブ・8に勝ち上がります。なお、ホール選手はファステストルーザーとしてラウンド・オブ・8に勝ち上がります。



Heat2 ポドルンシェクvsソンカ
金曜のプラクティスで腕を痛めたポドルンシェク選手、決勝日に愛機に乗り込むも飛べず。ランディングギアカバーに緩みが見つかり、DNF。ソンカ選手は1:02.138を刻んで勝ち上がります。

Heat3 イワノフvsグーリアン
今季好調のグーリアンを抑えるためにイワノフ選手が1:00.908で飛行。グーリアン選手は1Lap終了時まで0.5秒以上リードしますが、2Lap目のハイGターンでオーバーGを発生させ競技終了。イワノフが勝ちあがります。

Heat4 ボルトンvsコプシュテイン
ボルトン選手は1:03.356を刻みますが、好調コプシュテイン選手は1:01.875と圧倒して勝ち上がりました。

Heat5 ル・ボットvsチャンブリス
新機体で挑んだル・ボット選手は予選とほぼ同じ1:02.529。予選3位の勢いを維持したチャンブリス選手は1:01.786を叩き出して勝ち上がり。チャンブリス選手はパイロンに進入する際、機体を外に振る癖(車のフェイントモーションの様に)がありますが、今回はそれが目立っていません。

Heat6 ドルダラーvs室屋
先攻ドルダラー選手が1Lap目のハイGターンでオーバーG、室屋選手は1:00.572でラウンド・オブ・8へ勝ち上がります。横風が15mも吹いていると思えない程補正の少ない飛行でラウンド・オブ・14の最速タイムを刻みました。

Heay7 ベラルデvsマクロード
ベラルデ選手は1:02.484を刻み、予選トップのマクロード選手は1:01.03を叩き出した直後に審議となり不安な表情を見せましたが、ペナルティーなしの判定に安堵の表情を浮かべて勝ち上がりました。

[ラウンド・オブ・8]

Heat8 コプシュテインvsチャンブリス
コプシュテイン選手、1:00.448の好タイムを刻むもゲート19でペナルティ(シンキング・イン・ザ・ゲート:機体が沈みながらゲートを通過/+2秒)を取られる。後攻チャンブリス選手はノーペナルティの飛行で1.01.224。チャンブリス選手が勝利。



Heat9 ブラジョーvsマクロード
ブラジョー選手、ミスを抑えた1:03.027で飛行。後攻のマクロード選手はハイペースでリードを築くも、ゲート7でペナルティ(クライミング・イン・ザ・ゲート:ゲート通過前に上昇を開始/+2秒)を受け、1秒以上稼いだはずが一転、追いかける立場に。ペナルティーは即時宣告されてそこから挽回、1:02.949と0.078(約80cm)差で勝ちあがります。マクロード選手はこのラウンドも薄氷の逆転勝利。今回「もっている」感があります。

Heat10 ソンカvsイワノフ
先攻ソンカ選手がここまで最速の1:00.428を叩き出すと、ベストタイムが0.5秒以上遅いイワノフ選手は果敢にアタックを敢行しますが、ペナルティ(インコレクトレベル/+2秒)を受けてしまい万事休す。

Heat11 ホールvs室屋
最速で勝ちあがると、またも同期にの好敵手に立ち塞がられる室屋選手。しかし、先攻で飛行したホール選手がゲート7でのオーバーGでまさかのDNF。前戦も決勝でペナルティを受けるなど、速さと結果が噛み合いません。室屋選手はペナルティ(シンキング・イン・ザ・ゲート/+2秒)を受けますが、1:04.750でファイナル4に進出しました。

ファイナル4は、チャンブリス、マクロード、ソンカ、室屋の順に飛行します。
最初に飛行したチャンブリス選手は1:00.632。決勝日を通して自身最速のタイムをここで叩き出します。次のマクロード選手はチャンブリス選手に対し、序盤リードしますが、中盤から後れを取り1:00.740。0.108(約1m)差で掴み掛けた勝利を手放してしまいます。3番目に飛んだソンカ選手はゲート18でペナルティ(クライミング・イン・ザ・ゲート:+2秒)を受け、1:01.699に留まります。ソンカ選手は3位以下が確定しました。

室屋選手は3連勝が掛かるフライトです。199.7ノットという絶妙の速度でコースに進入しますが、最初の計測でチャンブリス選手に0.5秒程の差を付けられました。想定外だった前回のペナルティを再現しないために安全なラインを選択した結果、1:01.188で3位。連勝は止まりましたが、今季3回目の表彰台を獲得しました。

ハンガーでモニターを見ていたチャンブリス選手は優勝が決まると微笑んでサムアップをチームクルーにおくりました。



2008年以来9年ぶりの表彰台の中央(そして58歳で最年長記録更新)に立つチャンブリス選手は、国歌の演奏を感慨深げに聞き、笑顔でシャンペンファイトを行いました。カービー選手は「エッジ540の父」云われる程、当初機体開発に関わっていました。彼の機体だけ垂直尾翼が形状が違うのは、この部分の開発が先行しているからでしょう。



今回、室屋選手が3位・ソンカ選手が4位となった事で、2ポイント差で室屋選手がチャンピオンシップのポイントリーダーとなりました。一方、上位の選手もポイントを重ね、4位のチャンブリス選手も次戦の結果次第ではポイントリーダーに躍り出る可能性があるという、混戦のシーズンが続きます。



次回のレースは7/23にロシア・カザンで開催されます。尚、今回のブダペストのレースは7/17(月・祝)に放送予定です。

(川崎BASE Balazs Gardi/Joerg Mitter /Armin Walcher / Red Bull Content Pool)

最終更新:7/7(金) 18:33
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