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「1馬力」世帯の老後準備 債券投信7割でリスク軽減

7/8(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 社会保険労務士の井戸美枝さんに、iDeCoと積み立てNISAの枠を活用した働き方別の投信積み立てポートフォリオを提案してもらった。これまでは「公務員夫婦なら株式投信100% リスク取り老後安泰」、「共働き社員の投信選び おすすめは株式と債券が半々」などを見てきたが、最終回は会社員&配偶者(扶養内)と、自営夫婦のモデルケースについて見ていこう。


【会社員&配偶者扶養のモデルケース】

投資は安定性を重視。専業主婦からの「卒業」も早めに考えて

 会社員の夫と専業主婦の妻というような組み合わせでは、老後リスクが高まりがちだ。一家の働き手が1人しかいないので、勤め先が倒産でもしたら大変。中小企業だと給料が少なかったり、退職金も多くは望めなかったりするだろう。

 生活に余裕がなく、資産運用で大きなリスクは取れないので、積み立て投資は債券投信が多めの安定志向の配分になる。

 また資産運用と並行して考えたいのが、妻に働いてもらうこと。世帯収入が増えれば投資にもお金を回しやすい。パートで働く場合、年間収入が103万円以下なら所得税がかからず、夫の配偶者控除も利用できる。2018年からは、この配偶者控除の年収要件が150万円以下に引き上げられる。例えば年収100万円のパート主婦が毎月2万円分多く働き、その分をiDeCoに拠出すれば、所得控除が適用されて所得税はゼロのまま。そして配偶者控除も利用し続けられる(一部例外あり)。

■投信積み立てモデルポートフォリオ

 資産が少なく投資も初心者ということなら、あまり大きなリスクは取れない。積み立てる配分は株式投信3割、債券投信7割がまずは無難だ。妻が働き始めて収入が増えたり、投資に慣れてきたりしたら株式投信の比率を少しずつ高めていく。



【自営夫婦のモデルケース】

高い老後リスクに備え、各種制度をフル活用

 老後リスクが最も高いのは、夫が自営で事業を行い、妻が経理などをして手伝っているケース。収入を得る先が1つしかないため、事業に行き詰まった途端に収入がゼロになってしまう。夫婦がそれぞれ別の事業を手掛けている場合は老後リスクは多少下がるが、それでも自営夫婦は二人とも国民年金加入者になるので、将来受け取れる公的年金は少ない。

 年金受給額を増やすには、国民年金基金を使う手がある。夫婦で加入すれば、年金に月額計5万円程度を上乗せできる。また小規模企業共済に加入するのもいい。


 そして、iDeCoや積み立てNISAを活用した自助努力も必須。生活にまだゆとりがあり、国民年金基金や小規模企業共済で確定給付の年金も準備しているなら、積み立て投資は株式投信が多めの配分で高めのリターンを目指すのが一つの手だ。投資リスクを多少抑えたい場合は、株式と債券が半々くらいでもいいだろう。

■投信積み立てモデルポートフォリオ

 高い老後リスクを少しでも下げるには、中長期的に資産を育てていく姿勢が大切。他の資産が比較的多い人なら、積み立て投資では高めのリターンを目指し、株式投信に7割程度配分する。初心者のうちは株式と債券に半分ずつの配分でもOK。



井戸美枝さん 社会保険労務士。資産運用や社会保険について、雑誌や新聞、講演などで分かりやすく情報発信を行う。厚生労働省社会保障審議会企業年金部会委員も務める。ファイナンシャルプランナー(CFP)。

(日経マネー 小谷真幸)
[日経マネー2017年6月号の記事を再構成]

最終更新:7/8(土) 7:47
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