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平均年収450万円!? 超人手不足でも広がる「40歳からの転職格差」の実態

7/8(土) 8:10配信

NIKKEI STYLE

 厚生労働省が6月末に発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.49倍と、1974年2月以来、43年3カ月ぶりの高水準を記録した。空前の人手不足といってもいい状況にありながら、実は40歳以上の「転職格差」は静かに拡大している。今回は、表に見えないミドル世代の転職環境の実態を浮き彫りにしてみた。

■人事担当が頭を抱える空前の人手不足

 求人倍率の伸びの中でも注目したいのが、正社員の有効求人倍率です。5月は0.99倍(季節調整値)と、2004年の調査開始以来で最高値を示しています。人手を確保したい企業は正社員の求人を増やしています。新規求人数を業種別にみると製造業が前年同月比11.5%増で首位。慢性的な運転手不足に悩む運輸・郵便業が10.4%増えたほか、医療・福祉業も9.0%増となっています。

 就業者数は6547万人で、前年同月より76万人増え、うち正社員は50万人、パート労働者など非正規社員は5万人増加するなど、仕事を探す求職者側にとっては、非常に強い追い風が吹いているように見えます。実際に、採用担当の人事スタッフにとっては、採用の難易度が上がり、採用コストも上昇するなど、きわめて仕事が進めにくい状況が続いています。

 その一方で、40歳以上の多くの求職者からは、

「なかなか書類選考に通過せず転職活動に苦戦している」

「妥協して再就職先を決めてしまったが、条件が合わず後悔している」

「待遇が大幅に悪化して、生活の維持が大変になった」

といった声が後を絶ちません。実際にミドルの転職がどうなっているのか、データを検証してみましょう。

■40歳を境に下がる転職後年収、平均は450万円

 15年3月に発表されたリクルートワークス研究所の「ワーキングパーソン調査2014」で、40代の転職実態が明らかになっています(少し前の調査ですが、リーマン・ショックが明けて現在までの景気上昇局面の途中段階なので、この傾向は今も続いていると推定できます)。以下の数字は、転職前に正社員だった40~49歳までの男女全体の数値を抜粋しています。

●40代転職者の転職直前の役職
役職あり35.3%
役職なし64.7%
<役職ありの内訳>
係長クラス 12.4%
課長クラス 15.0%
部長クラス  5.2%
役員クラス  2.6%
 40代で課長以上の役職についている人の割合は4人に1人。このうち、会社が成長していないせいで世代交代が進まず、「役職が上がらない」「給与が上がらない」といった評価の不満がきっかけで転職を考え始める人は20%程度となっています。

●40代の転職後の年収変化
10%以上上昇した 32.2%
10%以上減少した 32.9%
と、この世代を境に転職後の年収減少が始まります。20代、30代では、転職後年収が増加する人が5~10%ほど多いのとは違い、40代以降は一転、年収減少組の割合が上回っています。

●転職後1年目の年収
平均 450.9万円
1000万円以上  6.2%
700万~999万円  6.2%
500万~699万円 19.2%
400万~499万円 15.1%
400万円未満 53.4%
 転職後の年収は700万円以上が12.4%と、圧倒的に少数派です。ただし、この背景には、転職後に年収が下がる傾向がある契約社員や派遣に雇用形態が変化する人が18%近く存在する影響もあります。一方で、転職1年目で、年収1200万円以上が確保できる人の割合は4.8%と、数は少なくても20人に1人がこの最上位クラスにいることがわかります。

 ちなみに40代の転職活動では、平均応募社数は10.6社(転職活動者の40%が5社以上、25%は10社以上に応募)、応募後に書類選考に通過して面接まで進める割合は約35%(平均3.6社)。面接後に、内定にまで進む確率は約30%(1.4社)というのが転職活動の相場です。逆に、ごく一部のエグゼクティブ層やスペシャリスト層などの場合は、自ら転職活動をしなくても、ヘッドハンターが企業の代理として高額年収のオファー条件を持ってやってきて、三顧の礼で迎えられるということがもはや当たり前になっています。

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最終更新:7/8(土) 8:10
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