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違法品を扱う闇サイト、「Silk Road」運営者が終身刑でも販売は急拡大

7/8(土) 19:13配信

WIRED.jp

麻薬などを取引できる闇サイト「Silk Road」。その運営者ロス・ウルブリヒトは2015年5月、仮釈放なしの終身刑判決を受けた。これは同様の犯罪への抑止効果を期待した厳刑だったが、実際はその狙いとは完全に矛盾する結果になってしまったようだ。

世界を制した「闇ドラッグサイト」の帝王と、その早すぎた夢

2015年5月、麻薬などの禁制品を取引できる闇サイトの「Silk Road」を運営した罪で、ロス・ウルブリヒトは、仮釈放なしの終身刑判決を受けた。

裁判官が終身刑を言い渡したのには、ネット上での麻薬密売を企むほかの者に警告する意図があった。だが新たな調査から、ウルブリヒトを見せしめにしても、Silk Roadユーザーは犯罪を思いとどまらなかったことが明らかになった。それどころか、逆効果になった可能性もあるという。

ボストンカレッジの社会学者イサク・ラデガールドは、『British Journal of Criminology』誌で研究論文を発表した。そのなかで彼は、ウルブリヒトの予想外の厳刑に関するニュースが流れたあと、闇サイトでの麻薬取引の売り上げが急増したことを示す定量的証拠を提示している。

2014年後半からラデガールドは、当時最大の闇サイトの毎日の売り上げデータを徹底的に調べあげた。そして、ウルブリヒトへの判決後に同サイトの売り上げが大幅に増加していることを発見したのだ。「メディアが判決について報道しても、Silk Roadや同様の闇サイトの存在がさらに知られるだけに終わったというのが、考えられる説明です」とラデガールドは言う。

この研究結果は、あまり知られていないネット犯罪に対して厳しい判決を下すことが、どの程度の抑止効果をもつのかを精査したものでもある。それも特に、逮捕される確率が不明確で、また世間の注目に刺激されて模倣犯が出現する可能性のある犯罪についてだ。

判決後、2倍になった闇サイトの売り上げ

米連邦捜査局(FBI)がSilk Roadのサーヴァーを押収し、ウルブリヒトを逮捕した2013年後半以降も、闇サイトからなる“ダークウェブ”は成長を続けた。

ウルブリヒトの逮捕当時にSilk Roadにリストアップされていたのは、マリファナ、エクスタシー、ヘロイン、偽造書類など約1万2,000件。一方、最大の闇市場サイトだった「Alphabay」のリストは、麻薬だけで24万件超、全体では30万件をはるかに超えている。なお、Alphabayは、武器や盗難データなど、Silk Roadが扱わなかったものも提供している。

ラデガールドの分析によると、ウルブリヒトに判決が下された直後にダークウェブでの売り上げが増加しているという。彼は2014年11月からPythonスクリプトを利用して、当時最大の麻薬販売闇サイトだった「Agora」から、販売リストと顧客からのフィードバック情報を引き出した。Agoraでの取引には顧客からのフィードバックが必須だったため、そのフィードバックを利用することでサイトでの総売り上げを経時的に調べることができた。

調査結果からは、ウルブリヒトが終身刑を受けてもAgoraの違法ビジネスはびくともしなかったことがわかる。米国内から商品を出荷する業者の場合は、判決後に売り上げが2倍以上になり、わずか2週間で、1日4万ドル未満から1日10万ドル以上に急増した。米国以外から商品を出荷する業者の売り上げはさらに急増し、1日10万ドルから25万ドルになった。ウルブリヒトの裁判で裁判官が厳刑の根拠として述べた「抑止効果」とは、完全に矛盾する結果になったわけだ。

キャサリン・フォレスト裁判官は、判決の際に次のように述べていた。「後釜に座り、旗印を掲げて誤った方向に導こうと考える者は、法を破れば非常に厳しい結果が待っていることを、曖昧な表現なしに明確に理解する必要があります」

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最終更新:7/8(土) 19:13
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