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大切なポイントを取れない。錦織圭が抱える「もどかしさ」の種は何か

7/8(土) 17:40配信

webスポルティーバ

 試合後、さほど時間を置かず会見場に現れるのは、錦織圭には珍しいことだった。

 単なるスケジュールの都合か、あるいは、敗戦のショックがそうさせたのか......。

【写真】存在感を示した杉田祐一

「どのセットもブレークポイントがあったなかで、なかなか最後まで取り切れなくて。それが一番、ストレスが溜まる戦いの原因になった」

 勝敗を分けたそのカギを、錦織は淡々と振り返る。試合を通じて11本あったブレークポイントのうち、実際にブレークできたのはわずかに2本。それが最大の敗因であることは、本人が誰よりもわかっている。

「大切なときほど、いいプレーができた。ピンチのときも冷静で、すごく集中していた」

 対するロベルト・バウティスタ・アグート(スペイン)も、勝因をその点に求める。バウティスタ・アグートは錦織が過去4連勝している相手ではあるが、うち3つはクレーコートで、ひとつはハードコートでの対戦。芝で戦うのは、今回が初めてであった。

 今大会で第18シードにつけるバウティスタ・アグートは、スペインの選手なだけにクレーが得意かと思われがちだが、キャリア通算5つのタイトルの内訳は「芝1」「クレー1」「ハード3」。しかも初タイトルが芝であり、このコートには自信と相性のよさも感じていた。

「確かに圭には4回負けているけれど、芝が一番、チャンスがあると思っていた」

 26歳でブレークのときを迎えた、やや遅咲きの29歳は言う。

「僕のテニスは、回転をかけないフラットなショットが主軸。そのショットで、ベースラインからの打ち合いに持ち込もうと思っていた。ディフェンスなら、僕のほうがいいという自信もあった」

 過去全敗の相手に勝つイメージを抱きながら、バウティスタ・アグートはコートに向かっていた。

 もっともそのような相手のプレーは、ある程度は錦織の想定の範疇(はんちゅう)だったはずだ。

「ハレ大会でも見ていたけれど、芝でもすごくうまくプレーしている。バックも安定しているし、ミスが少ない」

 対戦を控えた2回戦後の会見でも、錦織はそう言って相手を警戒した。

 ただひとつ、やや想定外があったとすれば、「展開要素はそれほど多くはない」と思っていた相手が、ドロップショットやネットプレーなどで揺さぶりをかけてきたことだろうか。あるいはフラットで打ち抜く速いフォアでの攻撃は、錦織の想像以上に攻撃的で、攻略が困難だったかもしれない。

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