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ジブリ色濃厚 米林監督の新作アニメ『メアリと魔女の花』の誤算とは?

7/8(土) 7:00配信

日経トレンディネット

 2010年にスタジオジブリの『借りぐらしのアリエッティ』で長編アニメーション映画監督デビュー。この作品が興行収入92.6億円の大ヒットを記録し、同年の邦画の興収1位になると、2014年には監督2作目となる『思い出のマーニー』が第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネート。そんな米林宏昌監督の3作目となる新作が、7月8日より公開となる『メアリと魔女の花』だ。

【関連画像】一夜限りの魔法を手に入れた少女のある嘘が、大事件を引き起こす。(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会

 すでに2016年末に新作発表記者会見を行っており、日本のみならず世界中から注目を浴びているが、実は今回の映画には「スタジオジブリ」印は付いていない。米林監督は2014年末にジブリを退社。一緒に退社した『思い出のマーニー』のプロデューサー、西村義明と設立したスタジオポノックで制作した第1回長編作品が本作なのだ。配給はこれまで同様に大手の東宝が手がけている。

 本作のプレスシートに寄せた寄稿文で、米林監督は約20年間、ジブリで高畑勲・宮崎駿の両監督の作品に携わりながら過ごし、「ジブリという恵まれた環境でしか作ったことのない自分が、まったくのゼロに戻り、そこから一本の映画を完成させることができるだろうか」と、新たな一歩を踏み出すことに不安を抱えていたことを正直に明かしている。そのうえで「ジブリ作品を支えたスタッフだけでなく、アニメーション界最高の才能が集まってくれました。(ジブリで)学び、培った技術と志は僕の宝物です。この宝物を胸に抱き、ここにいる仲間たちと共に、今、新しい作品を全力で作っています」と、現在、最高の環境で作品づくりに没頭できているという。

 はたして、どんな作品に仕上がっているのか。まずは内容から見ていこう。

●一夜限りの魔法を手に入れた少女のある嘘が、大事件を引き起こす

 赤い館村に引っ越してきた主人公のメアリは、近くにある森で、ある不思議な花を見つける。それはこの森にしかなく、7年に1度しか咲かない「夜間飛行」という花で、かつて魔女の国から盗み出された不思議な力をもつ禁断の花だった。

 花の不思議な力で一夜限りの魔法を手に入れたメアリは、ほうきに乗って雲海がそびえ立つ魔女の国へと飛び立つ。たどり着いたのは、魔法世界の最高学府「エンドア大学」。そこで同大学の校長マダム・マンブルチュークから「100年に1人の天才」と魔法の力を認められたメアリは入学を許可される。しかし彼女がついたたった一つの嘘が、やがて大切な人を巻き込んだ大事件を引き起こしていく。

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