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高齢者の財産、信託で守る 不正流用防ぎ、相続対策も

7/9(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 「信託」を使った高齢者の財産管理が注目されている。悪質商法の標的になったり財産を不正使用されたりする高齢者が後を絶たないからだ。信託を使えば本人のために財産を保全しつつ、相続対策に使うこともできる。信託商品の中身と注意点をまとめた。
 「財産管理に悩む高齢者が増えている」と司法書士の大貫正男氏。家計の金融資産1800兆円のうち60歳以上の保有割合は6割を超えるといわれるが、身体が不自由になったり認知症で判断能力が低下したりして、管理が行き届かなくなる人が少なくない。
 家族に任せても安心はできない。成年後見制度では「親族後見人の財産の不正流用が大きな問題になっている」(司法書士の船橋幹男氏)。最高裁判所によると成年後見人らの不正流用件数は2016年に502件あり、ほとんどが親族によるものだった。

■出金を毎月一定に

 これらの問題に対処する仕組みが信託だ。信託とは金銭を信頼できる人(受託者)に移して管理サービスを受ける契約のこと。信託財産の使途や出金を受託者である信託銀行がチェックするため、悪質商法に巻き込まれたり、財産を不正使用されたりするリスクを大幅に減らせる。

 代表的な信託商品は12年に始まった「後見制度支援信託」。成年後見制度の利用者が対象だ。被後見人の預貯金が1000万円以上(東京家庭裁判所管内は500万円以上)あり、当面、具体的な使途がない金銭が多いと専門家が判断した場合、家裁から同信託を使うよう求められる。
 財産のうち、日常的な支払いに必要な200万円程度は預貯金口座に置いて後見人が管理し、それ以外のまとまった金銭を信託する。

 信託財産の出金は毎月の一定金額や有料老人ホームの入居一時金などに限定。ある程度まとまった金額を出金するときは、家裁の指示書がその都度必要になる。出金に1週間前後かかることもあり機動性にやや欠けるが、財産は確実に本人のために使われ、不正も防止できる利点がある。

 信託財産の最低受託額は三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行がともに1000万円だが、りそな銀行(5000円以上)、みずほ信託銀行(1円以上)など低額から引き受ける銀行もある。信託報酬については、信託財産が1000万円以上なら無料とする金融機関が多い。

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最終更新:7/9(日) 7:47
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