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映画監督ウディ・アレン インタビュー――おかしな妄想とわが映画人生

7/9(日) 17:00配信

文春オンライン

 最新作『カフェ・ソサエティ』が公開中の映画監督、ウディ・アレン。歳を重ねても映画を作り続け、「憎らしいほどにかっこよく枯れて来た」男は「仕事が生き甲斐」と繰り返す。80歳当時のアレンが映画に対する想いを語ったインタビュー。

誕生会は不純で不気味――死の扉と隣り合わせに生きてきた

ウディ・アレン 八十歳になり、自分に何が起こるかほとんど分かるようになって来た。耄碌することを憂えるのではなく、どこかで期待している節もあるんだ。そして、出来れば眠ったままで死にたいと思ってる。

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 一九三五年十二月一日生まれ。八十歳になるウディ・アレンは、今年四月初めのニューヨーク、マンハッタンでの撮影現場でしれっと言ってのけた。

 アマゾンのプライム会員向けに米・英・独で配信される初めてのテレビシリーズは監督、主演も兼ねているため、渋い緑色の上着に茶色のコーデュロイのズボンに帽子という六〇年代後半風の衣装をまとっている。少しばかりよれよれの衣装が、却っておしゃれな老人の雰囲気を醸し出している。

 今回はこの時のインタヴューと一昨年の『イレイショナル・マン』(脚本・監督 邦題は『教授のおかしな妄想殺人』。日本公開は昨年六月十一日)の取材と合わせて、憎らしいほどにかっこよく枯れて来たアレンの“老いの哲学”を紹介しよう。

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ウディ・アレン 私は五歳のときから、今日にも死んでしまうという強迫観念を抱いてきた(笑)。以来、八十歳までその気持ちは変わっていない。毎秒毎秒、死の扉と隣り合わせに生きて来たという気分だね。

 八十歳だから、九十歳だからといって誕生会をするのは嫌なんだ。飲み物で乾杯したり、長生きの幸運を言い交わしたりする雰囲気には不純で不気味なものを感じる。ニューイヤーズ・イヴのパーティーで大騒ぎするなどは以ての外。夜が更けるなりベッドに入って眠ってしまうよ。

 死ぬ前に何かを成し遂げたいという願望もないんだ。このままのペースで働き続けるつもり。母は百歳、父は九十六歳まで生きた。長生きの遺伝子を受け継いでいると願っている。

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最終更新:7/9(日) 17:00
文春オンライン

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