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アクロバット相撲の宇良は、実は4歳から押し相撲を磨く正統派だった

7/9(日) 11:20配信

webスポルティーバ

 7月9日に愛知県体育館で初日を迎える大相撲名古屋場所で、夏場所に11勝4敗の好成績を残した宇良(25歳・木瀬部屋)が、自己最高位の東前頭4枚目に躍進した。

【写真】力士出身の曲者

「居反(いぞ)り」をはじめ、“アクロバティック“な動きで名を馳せた宇良だが、実際は、本人も「攻める気持ちを忘れないようにしたい」と口にしているように“前に出る相撲“が今の躍進を支えている。星を伸ばせば、横綱や大関に初挑戦する可能性もある名古屋場所を前に、攻めの姿勢を培った宇良の源流を辿った。

 宇良が相撲を始めたのは4歳の時。地元の大阪・寝屋川市にある相撲連盟の道場で土俵人生のスタートを切った。現在も同連盟で指導に当たる菊池弘至氏は、初めて宇良に出会った時の印象を「小さくて、とにかく可愛らしい子でした」と振り返る。

 菊池氏は1975年に伊勢ノ海部屋に入門し、「立花」の四股名で幕下まで上がった元力士。初めてまわしを巻く子どもたちに指導をする上で徹底しているのは、勝ち負けではなく「真っ向から当たって前に出る相撲の基本」だという。

「勝つことだけに固執すると、立ち合いで変化したり、いなしたりすることも増える。でも、それでは相撲の基本は身につきません。子どもたちに教えたいことは、相手に当たって前に押すという“正しい相撲“なんです」

 前に出る力を養うためのぶつかり稽古では、菊池氏自らが胸を貸す。宇良は小学生時代から一貫して、元幕下力士の分厚い胸に何度も頭から当たっていった。菊池氏はその姿勢を「あの小さな体で、ひたむきに頭から当たってきました。怖かったと思いますけど、決して逃げなかった」と賞賛する。

 小学3年生から中学を卒業するまでは、相撲と並行してレスリングも学んだが、進学先の鳥羽高校(京都)で選んだのは相撲部。入学時の宇良は152cm、52kgで、相撲部の中だけでなく、クラスでも一番小さかった。

 しかし、そんな宇良に対しても、当時の田中英一監督は菊池氏とまったく同じ指導を行なった。「勝ちに急ぐ相撲は取らせませんでした。稽古でも20番、30番くらい取るんですが、負けてもいいから前に出るように徹底して指導しました」と田中氏。加えて、バランスボールを使った体幹トレーニングや、前に出る相撲に欠かせない「足の指で土をつかむ力」をつけるため、足の指で物をつかんだり、かかとを浮かせて足の指だけで歩いたりという練習も課した。

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